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植物図鑑
🥬
黄色い花を咲かせたシュンギク
🥬 野菜

シュンギク

Glebionis coronaria Garland Chrysanthemum

初心者向け 難易度1(5段階中): 初心者向け 💰 苗は150〜300円

シュンギクは、独特の爽やかな香りが特徴の葉物野菜で、冬の鍋物に欠かせない名脇役として親しまれています。その名の通りキク科の植物で、春に黄色い...

かんたんに言うと

シュンギクは涼しい時期に育てる香りのよい葉物。秋まきが育てやすく、種は好光性で薄くまき、摘み取り収穫すればわき芽が伸びて一株から長く採れます。

Profile

基本情報

シュンギクは、独特の爽やかな香りが特徴の葉物野菜で、冬の鍋物に欠かせない名脇役として親しまれています。その名の通りキク科の植物で、春に黄色い菊のような花を咲かせることから「春菊」と呼ばれ、関西では「菊菜(きくな)」とも呼ばれます。涼しい気候を好み、秋にまいて晩秋から冬にかけて収穫する、秋冬野菜の定番。

生育が早く、種まきから1〜2か月ほどで収穫でき、キク科で香りが強いため害虫がつきにくく、初心者でも育てやすいのが魅力です。プランターでも手軽に育てられ、採れたての香り高いシュンギクは格別です。栽培のポイントは、第一に、涼しい時期(秋まき・春まき)に育てること。

とくに秋まきが育てやすく、高温と長日に向かう春は、とう立ち(花茎が伸びる)しやすいので注意します。第二に、種が光を好む「好光性種子」なので、覆土はごく薄くすること。第三に、収穫方法に二通りあり、株ごと抜き取る方法と、株を残して摘み取る方法があること。

摘み取り収穫なら、わき芽が次々と伸びて、一株から長く何度も収穫できます。香りがよく栄養も豊富な緑黄色野菜で、鍋はもちろん、おひたしや天ぷら、サラダ(生食できる品種も)でも楽しめる、冬に重宝する野菜です。

キク科
分類
野菜 / 葉菜
原産地
地中海沿岸
別名
春菊、しゅんぎく、菊菜(きくな)
適期
種まき・植え付けは3・9〜10月
価格目安
苗は150〜300円

💡豆知識

シュンギクは地中海沿岸が原産で、ヨーロッパでは食用ではなく、もっぱら花を観賞する草花として扱われてきた、という意外な背景を持ちます。野菜として食べるのは、主に東アジア独特の文化で、日本へは室町時代に中国を経て伝わったとされます。「春菊」の名は、春に菊に似た花を咲かせることに由来し、関西では葉の形から「菊菜(きくな)」と呼ばれるなど、地域で呼び名が異なります。

あの独特の香りは、α-ピネンなどの精油成分によるもので、自律神経に働きかけてリラックスや食欲増進を促すとされ、香り自体が楽しまれてきました。栄養面では、βカロテンの含有量がホウレンソウやコマツナに匹敵するほど多い、優秀な緑黄色野菜。株が大きく育つ「株張り型(関東系)」と、茎が立ち上がり摘み取りに向く「株立ち型(関西系)」など、地域で好まれる品種のタイプも異なります。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
3月は種まき
9月は種まき
10月は種まき
収穫
5月は収穫
11月は収穫
12月は収穫
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
9月は種まき
10月は種まき
収穫
1月は収穫
11月は収穫
12月は収穫
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
9月は種まき
10月は種まき
収穫
1月は収穫
11月は収穫
12月は収穫

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 初心者向け
収穫・開花の早さ とても早い
手軽さ(コスト) 手軽

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
20〜40cm
株張り
15〜25cm

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-2℃
耐暑温度
28℃
土壌pH
6.0〜6.5
水やり
土の表面が乾いたらたっぷり。乾かしすぎない。
肥料
元肥(化成肥料)・追肥

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    種まき

    約7日

    シュンギクは涼しい気候を好むので、種まきは秋(9〜10月)が最も育てやすく、春(3〜4月)にもまけます。とくに秋まきは、害虫が少なく、とう立ちの心配もなく、じっくり育っておすすめです。直まきが手軽で、すじまき(線状にまく)かばらまきにします。

    重要なのは、シュンギクの種が光を受けて発芽する「好光性種子」であること。覆土が厚いと発芽しないので、種をまいたら土をごく薄くかけるか、軽く押さえる程度にします。また、種の発芽率がやや低めなので、少し多めにまくとよいでしょう。発芽適温は15〜20℃。プランターは深さ15cm以上のものに野菜用培養土を使います。日当たりのよい場所を選び、発芽までは土を乾かさないよう水やりをします。

    💡秋まきが育てやすい。種は好光性なので覆土はごく薄く、やや多めにまきます。

  2. 2

    間引き

    約21日

    発芽して込み合ってきたら、生育に合わせて間引きをします。1回目は双葉のころに混み合った部分を、2回目以降は本葉が増えるたびに間隔を広げます。最終的な株間は、株ごと抜き取って収穫する場合は3〜4cm程度、株を残して長く摘み取り収穫する場合は15cmほどと広めにとります。

    込み合ったままだと、徒長してひょろひょろになったり、風通しが悪くなったりします。間引いた若い苗(間引き菜)も、やわらかくておいしいので、汁の実やおひたしで無駄なく食べられます。間引きは、元気でまっすぐな株を残して行います。本葉が増えてくると、シュンギク特有の切れ込みのある葉と、爽やかな香りがはっきりしてきます。

    💡混み合ったら間引き。摘み取り収穫なら株間15cmと広めに。間引き菜も食べられます。

  3. 3

    収穫(株ごと/摘み取り)

    約30日

    シュンギクの収穫には二通りの方法があります。ひとつは、草丈が20cmほどになったら株ごと根から抜き取る、または株元で刈り取る方法。短期間でまとめて収穫したいときに向きます。もうひとつは、長く何度も収穫できる「摘み取り収穫」。草丈が15〜20cmになったら、株を残して、主茎の先端(上の方の若い部分)を、下の葉を4〜5枚残してハサミで摘み取ります。

    すると、残した葉のつけ根からわき芽が伸びてきて、それがまた育ったら摘む、というのを繰り返せて、一株から長く何度も収穫できます。家庭菜園では、この摘み取り収穫が断然おすすめ。必要な分だけそのつど採れて便利です。採れたてのシュンギクは香りがよく、鍋やおひたし、天ぷらにと、冬の食卓で活躍します。

    💡摘み取り収穫がおすすめ。下葉を4〜5枚残して先端を摘むと、わき芽が伸びて何度も採れます。

  4. 4

    摘み取り後の追肥

    約60日

    摘み取り収穫を繰り返して長く楽しむ場合は、収穫のたびに株が養分を使うので、追肥で肥料を補うことが大切です。摘み取ったあとに、薄めた液肥や少量の化成肥料を株のまわりに施すと、わき芽の伸びがよくなり、次もやわらかい葉を収穫できます。肥料が切れると、わき芽の生育が衰えたり、葉が硬くなったりします。

    水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと。乾かしすぎると葉が硬くなったり、生育が止まったりするので、適度な水分を保ちます。シュンギクはキク科で香りが強いため、もともと害虫がつきにくい野菜ですが、アブラムシがつくことはあるので、見つけたら取り除きます。こまめな追肥と水やりで、冬のあいだ何度も収穫を楽しめます。

    💡摘み取りのたびに薄い追肥を。わき芽の生育がよくなり、やわらかい葉が続けて採れます。

  5. 5

    とう立ちと季節の終わり

    約14日

    シュンギクは、気温が上がり日が長くなる春に向かうと、花茎が伸びる「とう立ち(抽だい)」をします。とう立ちが始まると、茎が固くなり、葉も硬くなって、独特の香りも変わり、食味が落ちます。これを防ぐには、涼しい時期(秋まき)に育てて、とう立ち前に収穫を終えることが基本です。

    秋まきのものは、冬の寒さの中ではとう立ちしにくく、ゆっくり長く収穫できます。春まきのものは、気温の上昇とともにとう立ちしやすいので、早めに収穫します。とう立ちして伸びた花茎は、放っておくと春に黄色い菊のような花を咲かせます。観賞用に花を楽しむこともできますが、食用としては、やわらかい葉のうちに収穫しきるのがおいしさのコツです。とう立ちしたら収穫を終え、株を片づけます。

    💡春に向かうととう立ちして硬くなります。涼しい時期に育て、とう立ち前に収穫しきります。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • シュンギクの種

    株張り型・株立ち型、サラダ用など品種を選ぶ。

    200〜400円
  • 野菜用培養土

    プランター栽培用。

    400〜800円
  • プランター(深さ15cm以上) (任意)

    ベランダ栽培用。

    500〜1,200円
  • 化成肥料・液肥 (任意)

    摘み取り収穫の追肥に。

    400〜900円
初期費用の目安(必須のみ) 600〜1,200円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

病気

うどんこ病

まれ

症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。

予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。

対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。

Nutrition

栄養と食べ方

エネルギー
20kcal
ビタミンC
19mg
ビタミンA
380μg
ビタミンK
250μg
葉酸
190μg
1.7mg
カルシウム
120mg
カリウム
460mg
食物繊維
3.2g

旬・味: 冬が旬。爽やかな香りとやわらかな食感。βカロテンが豊富。

保存: 湿らせた紙で包みポリ袋に入れ、立てて冷蔵庫の野菜室へ。早めに使う。

🍴 鍋物🍴 おひたし・ごま和え🍴 天ぷら🍴 サラダ(生食用品種)

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ とう立ちで硬くなる

花茎が伸びて茎葉が硬く香りも落ちます。

原因: 高温・長日に向かう時期の栽培、収穫遅れ。

対策: 涼しい時期(秋まき)に育て、とう立ち前のやわらかいうちに収穫しきります。

⚠ 発芽不良

まいた種が発芽しません。

原因: 覆土が厚い(好光性種子)、種の乾燥。

対策: 覆土はごく薄く、やや多めにまき、発芽まで土を乾かさないようにします。

⚠ 徒長してひょろひょろ

株が間延びして弱々しくなります。

原因: 間引き不足、日照不足。

対策: 適切に間引いて株間を確保し、日当たりのよい場所で育てます。

FAQ

よくある質問

涼しい気候を好むので、秋(9〜10月)が最も育てやすくおすすめです。春(3〜4月)にもまけますが、気温が上がるととう立ちしやすいので、早めに収穫します。

シュンギクは光を受けて発芽する「好光性種子」です。覆土が厚いと発芽しないので、土はごく薄くかけます。発芽率がやや低めなので多めにまき、発芽までは土を乾かさないようにします。

株を残して先端を摘む「摘み取り収穫」がおすすめです。下葉を4〜5枚残して摘むと、わき芽が伸びて何度も収穫できます。摘み取りのたびに薄い追肥をすると、やわらかい葉が続けて採れます。

春に向かう「とう立ち」が始まると、茎葉が硬くなり香りも変わります。涼しい時期に育て、とう立ち前のやわらかいうちに収穫しきるのがコツです。秋まきはとう立ちしにくく長く採れます。

シュンギクはキク科で香りが強いため、もともと害虫がつきにくい育てやすい野菜です。ただしアブラムシがつくことはあるので、見つけたら取り除きます。アブラナ科の葉物より虫の心配は少なめです。

加熱して食べるのが一般的ですが、近年はサラダ用にアク・香りがマイルドで生食できる品種もあります。採れたてのやわらかい葉は、サラダやおひたし、鍋、天ぷらなど幅広く楽しめます。

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