シュンギク
Glebionis coronaria Garland Chrysanthemum
シュンギクは、独特の爽やかな香りが特徴の葉物野菜で、冬の鍋物に欠かせない名脇役として親しまれています。その名の通りキク科の植物で、春に黄色い...
かんたんに言うと
シュンギクは涼しい時期に育てる香りのよい葉物。秋まきが育てやすく、種は好光性で薄くまき、摘み取り収穫すればわき芽が伸びて一株から長く採れます。
Profile
基本情報
シュンギクは、独特の爽やかな香りが特徴の葉物野菜で、冬の鍋物に欠かせない名脇役として親しまれています。その名の通りキク科の植物で、春に黄色い菊のような花を咲かせることから「春菊」と呼ばれ、関西では「菊菜(きくな)」とも呼ばれます。涼しい気候を好み、秋にまいて晩秋から冬にかけて収穫する、秋冬野菜の定番。
生育が早く、種まきから1〜2か月ほどで収穫でき、キク科で香りが強いため害虫がつきにくく、初心者でも育てやすいのが魅力です。プランターでも手軽に育てられ、採れたての香り高いシュンギクは格別です。栽培のポイントは、第一に、涼しい時期(秋まき・春まき)に育てること。
とくに秋まきが育てやすく、高温と長日に向かう春は、とう立ち(花茎が伸びる)しやすいので注意します。第二に、種が光を好む「好光性種子」なので、覆土はごく薄くすること。第三に、収穫方法に二通りあり、株ごと抜き取る方法と、株を残して摘み取る方法があること。
摘み取り収穫なら、わき芽が次々と伸びて、一株から長く何度も収穫できます。香りがよく栄養も豊富な緑黄色野菜で、鍋はもちろん、おひたしや天ぷら、サラダ(生食できる品種も)でも楽しめる、冬に重宝する野菜です。
💡豆知識
シュンギクは地中海沿岸が原産で、ヨーロッパでは食用ではなく、もっぱら花を観賞する草花として扱われてきた、という意外な背景を持ちます。野菜として食べるのは、主に東アジア独特の文化で、日本へは室町時代に中国を経て伝わったとされます。「春菊」の名は、春に菊に似た花を咲かせることに由来し、関西では葉の形から「菊菜(きくな)」と呼ばれるなど、地域で呼び名が異なります。
あの独特の香りは、α-ピネンなどの精油成分によるもので、自律神経に働きかけてリラックスや食欲増進を促すとされ、香り自体が楽しまれてきました。栄養面では、βカロテンの含有量がホウレンソウやコマツナに匹敵するほど多い、優秀な緑黄色野菜。株が大きく育つ「株張り型(関東系)」と、茎が立ち上がり摘み取りに向く「株立ち型(関西系)」など、地域で好まれる品種のタイプも異なります。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | |||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 1月は収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 1月は収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜40cm
- 株張り
- 15〜25cm
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -2℃
- 耐暑温度
- 28℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷり。乾かしすぎない。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき
約7日シュンギクは涼しい気候を好むので、種まきは秋(9〜10月)が最も育てやすく、春(3〜4月)にもまけます。とくに秋まきは、害虫が少なく、とう立ちの心配もなく、じっくり育っておすすめです。直まきが手軽で、すじまき(線状にまく)かばらまきにします。
重要なのは、シュンギクの種が光を受けて発芽する「好光性種子」であること。覆土が厚いと発芽しないので、種をまいたら土をごく薄くかけるか、軽く押さえる程度にします。また、種の発芽率がやや低めなので、少し多めにまくとよいでしょう。発芽適温は15〜20℃。プランターは深さ15cm以上のものに野菜用培養土を使います。日当たりのよい場所を選び、発芽までは土を乾かさないよう水やりをします。
💡秋まきが育てやすい。種は好光性なので覆土はごく薄く、やや多めにまきます。
-
2
間引き
約21日発芽して込み合ってきたら、生育に合わせて間引きをします。1回目は双葉のころに混み合った部分を、2回目以降は本葉が増えるたびに間隔を広げます。最終的な株間は、株ごと抜き取って収穫する場合は3〜4cm程度、株を残して長く摘み取り収穫する場合は15cmほどと広めにとります。
込み合ったままだと、徒長してひょろひょろになったり、風通しが悪くなったりします。間引いた若い苗(間引き菜)も、やわらかくておいしいので、汁の実やおひたしで無駄なく食べられます。間引きは、元気でまっすぐな株を残して行います。本葉が増えてくると、シュンギク特有の切れ込みのある葉と、爽やかな香りがはっきりしてきます。
💡混み合ったら間引き。摘み取り収穫なら株間15cmと広めに。間引き菜も食べられます。
-
3
収穫(株ごと/摘み取り)
約30日シュンギクの収穫には二通りの方法があります。ひとつは、草丈が20cmほどになったら株ごと根から抜き取る、または株元で刈り取る方法。短期間でまとめて収穫したいときに向きます。もうひとつは、長く何度も収穫できる「摘み取り収穫」。草丈が15〜20cmになったら、株を残して、主茎の先端(上の方の若い部分)を、下の葉を4〜5枚残してハサミで摘み取ります。
すると、残した葉のつけ根からわき芽が伸びてきて、それがまた育ったら摘む、というのを繰り返せて、一株から長く何度も収穫できます。家庭菜園では、この摘み取り収穫が断然おすすめ。必要な分だけそのつど採れて便利です。採れたてのシュンギクは香りがよく、鍋やおひたし、天ぷらにと、冬の食卓で活躍します。
💡摘み取り収穫がおすすめ。下葉を4〜5枚残して先端を摘むと、わき芽が伸びて何度も採れます。
-
4
摘み取り後の追肥
約60日摘み取り収穫を繰り返して長く楽しむ場合は、収穫のたびに株が養分を使うので、追肥で肥料を補うことが大切です。摘み取ったあとに、薄めた液肥や少量の化成肥料を株のまわりに施すと、わき芽の伸びがよくなり、次もやわらかい葉を収穫できます。肥料が切れると、わき芽の生育が衰えたり、葉が硬くなったりします。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと。乾かしすぎると葉が硬くなったり、生育が止まったりするので、適度な水分を保ちます。シュンギクはキク科で香りが強いため、もともと害虫がつきにくい野菜ですが、アブラムシがつくことはあるので、見つけたら取り除きます。こまめな追肥と水やりで、冬のあいだ何度も収穫を楽しめます。
💡摘み取りのたびに薄い追肥を。わき芽の生育がよくなり、やわらかい葉が続けて採れます。
-
5
とう立ちと季節の終わり
約14日シュンギクは、気温が上がり日が長くなる春に向かうと、花茎が伸びる「とう立ち(抽だい)」をします。とう立ちが始まると、茎が固くなり、葉も硬くなって、独特の香りも変わり、食味が落ちます。これを防ぐには、涼しい時期(秋まき)に育てて、とう立ち前に収穫を終えることが基本です。
秋まきのものは、冬の寒さの中ではとう立ちしにくく、ゆっくり長く収穫できます。春まきのものは、気温の上昇とともにとう立ちしやすいので、早めに収穫します。とう立ちして伸びた花茎は、放っておくと春に黄色い菊のような花を咲かせます。観賞用に花を楽しむこともできますが、食用としては、やわらかい葉のうちに収穫しきるのがおいしさのコツです。とう立ちしたら収穫を終え、株を片づけます。
💡春に向かうととう立ちして硬くなります。涼しい時期に育て、とう立ち前に収穫しきります。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜400円
シュンギクの種
株張り型・株立ち型、サラダ用など品種を選ぶ。
-
✓400〜800円
野菜用培養土
プランター栽培用。
-
○500〜1,200円
プランター(深さ15cm以上) (任意)
ベランダ栽培用。
-
○400〜900円
化成肥料・液肥 (任意)
摘み取り収穫の追肥に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
うどんこ病
まれ症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。
予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 20kcal
- ビタミンC
- 19mg
- ビタミンA
- 380μg
- ビタミンK
- 250μg
- 葉酸
- 190μg
- 鉄
- 1.7mg
- カルシウム
- 120mg
- カリウム
- 460mg
- 食物繊維
- 3.2g
旬・味: 冬が旬。爽やかな香りとやわらかな食感。βカロテンが豊富。
保存: 湿らせた紙で包みポリ袋に入れ、立てて冷蔵庫の野菜室へ。早めに使う。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ とう立ちで硬くなる
花茎が伸びて茎葉が硬く香りも落ちます。
原因: 高温・長日に向かう時期の栽培、収穫遅れ。
対策: 涼しい時期(秋まき)に育て、とう立ち前のやわらかいうちに収穫しきります。
⚠ 発芽不良
まいた種が発芽しません。
原因: 覆土が厚い(好光性種子)、種の乾燥。
対策: 覆土はごく薄く、やや多めにまき、発芽まで土を乾かさないようにします。
⚠ 徒長してひょろひょろ
株が間延びして弱々しくなります。
原因: 間引き不足、日照不足。
対策: 適切に間引いて株間を確保し、日当たりのよい場所で育てます。
FAQ
よくある質問
涼しい気候を好むので、秋(9〜10月)が最も育てやすくおすすめです。春(3〜4月)にもまけますが、気温が上がるととう立ちしやすいので、早めに収穫します。
シュンギクは光を受けて発芽する「好光性種子」です。覆土が厚いと発芽しないので、土はごく薄くかけます。発芽率がやや低めなので多めにまき、発芽までは土を乾かさないようにします。
株を残して先端を摘む「摘み取り収穫」がおすすめです。下葉を4〜5枚残して摘むと、わき芽が伸びて何度も収穫できます。摘み取りのたびに薄い追肥をすると、やわらかい葉が続けて採れます。
春に向かう「とう立ち」が始まると、茎葉が硬くなり香りも変わります。涼しい時期に育て、とう立ち前のやわらかいうちに収穫しきるのがコツです。秋まきはとう立ちしにくく長く採れます。
シュンギクはキク科で香りが強いため、もともと害虫がつきにくい育てやすい野菜です。ただしアブラムシがつくことはあるので、見つけたら取り除きます。アブラナ科の葉物より虫の心配は少なめです。
加熱して食べるのが一般的ですが、近年はサラダ用にアク・香りがマイルドで生食できる品種もあります。採れたてのやわらかい葉は、サラダやおひたし、鍋、天ぷらなど幅広く楽しめます。
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Compare
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