ダイコン
Raphanus sativus Daikon Radish
ダイコンは、煮物・おでん・大根おろし・漬物・サラダと、和食に欠かせない日本を代表する根菜で、家庭菜園でも人気の高い野菜です。みずみずしく太く...
かんたんに言うと
ダイコンは秋まきが育てやすい根菜。直根性なので石を除いて深く耕した土に直まきし、間引いて1本立ちにし、防虫ネットでアオムシを防ぐのがコツです。
Profile
基本情報
ダイコンは、煮物・おでん・大根おろし・漬物・サラダと、和食に欠かせない日本を代表する根菜で、家庭菜園でも人気の高い野菜です。みずみずしく太く育った白い根を、自分で抜き上げる収穫の喜びは格別。生育が比較的早く、丈夫で発芽もよく、種から手軽に育てられるので、初心者にもおすすめです。
とくに、害虫が減って病気も出にくく、甘みも増す秋まき(9月ごろ)が、最も育てやすく失敗が少ない作型です。栽培のポイントは、第一に、ダイコンは直根性で移植を嫌い、根が深くまっすぐ伸びるので、種を畑に直接まく「直まき」にし、石や硬い土、未熟な堆肥を取り除いて深くやわらかく耕すこと。
これらの障害物に当たると、根が二股に分かれる「又根(またね)」になります。第二に、種が発芽したら、生育を見ながら数回に分けて間引き、最終的に1本立ちにすること。第三に、アブラナ科なのでアオムシなどの害虫がつきやすく、生育初期から防虫ネットで守ること。
「大根十耕(だいこんじっこう)」という言葉があるほど、土をよく耕すことが、まっすぐで立派なダイコンを育てる秘訣です。プランターでは、短い「ミニ大根」が手軽。採れたての辛みと甘みのバランスは、家庭菜園ならではの味わいです。
💡豆知識
ダイコンは日本人にとって最も身近な野菜のひとつで、その歴史は古く、すでに『古事記』にも「於朋泥(おほね=大根)」として登場します。日本では各地で独自の品種(地大根)が発達し、世界一重いとされる桜島大根(20kg以上にもなる)、世界一長い守口大根(1m以上)、辛みの強い辛味大根、赤や紫、緑の色つき大根など、その多様さは世界でも類を見ません。
現在もっとも多く流通しているのは、首の部分が緑色になる「青首大根」です。ダイコンには、でんぷんの消化を助ける「アミラーゼ(ジアスターゼ)」という消化酵素が豊富で、大根おろしが胃にやさしいとされるのはこのため。また、辛み成分は、すりおろすことで生まれ、殺菌作用があるとされます。根だけでなく、葉も栄養豊富な緑黄色野菜として、菜飯や炒め物でおいしく食べられる、無駄のない野菜です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 10月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 9月は種まき | |||||||||||
| 収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 10月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 9月は種まき | |||||||||||
| 収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 10月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜60cm
- 株張り
- 20〜30cm
- 実のサイズ
- 根の長さ20〜40cm(品種による)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -3℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 5.5〜6.5
- 水やり
- 発芽期と生育初期は乾かさない。その後は土が乾いたら。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
土づくりと種まき
約7日ダイコン栽培は土づくりが命です。根が深くまっすぐ伸びるので、深さ30〜40cmまで深くやわらかく耕し、石やゴミ、未熟な堆肥のかたまりを取り除きます。これらの障害物に根が当たると、根が二股に分かれる「又根」になります。「大根十耕」といわれるほど、よく耕すことが大切です。
ダイコンは直根性で移植を嫌うので、畑に直接まく「直まき」が基本。種まき適期は、害虫が少なく育てやすい秋(9月)が最もおすすめで、春(3〜4月)にもまけます。1か所に4〜5粒を点まきし、ごく薄く土をかけます。発芽適温は15〜30℃と幅広く、発芽はよくそろいます。
アブラナ科は酸性土を嫌うので、種まき前に苦土石灰で中和し、元肥を入れておきます。深型プランターなら、短い「ミニ大根」品種が育てやすいです。
💡又根防止に深く耕し石を除きます。直根性なので直まき。秋まきが育てやすいです。
-
2
間引きと防虫ネット
約21日発芽したら、生育を見ながら数回に分けて間引きます。1回目は双葉のころ、形の悪いものを抜き、本葉が増えるたびに間隔を広げ、本葉6〜7枚までに、1か所1本立ちにします。間引きが遅れると、根が細くなったり、形が悪くなったりします。生育のよい、子葉の形が整った元気な株を残します。
間引き菜は、やわらかくおいしいので、味噌汁やおひたし、サラダで無駄なく食べられます。ダイコンはアブラナ科なので、アオムシ(モンシロチョウの幼虫)、アブラムシ、コナガ、キスジノミハムシ(根に穴をあける)などの害虫がつきやすいです。種まき・発芽直後から「防虫ネット」でトンネル状に覆うと、害虫の食害を物理的に防げ、農薬をほとんど使わずに育てられます。とくに暖かい時期はネットが効果的です。
💡本葉6〜7枚までに1本立ちに間引き。種まき直後から防虫ネットで害虫を防ぎます。
-
3
追肥・土寄せ・水やり
約30日ダイコンは、生育に合わせて追肥をすると、根が太く立派に育ちます。間引いて1本立ちにしたタイミングと、その2〜3週間後を目安に、化成肥料を株のまわりに追肥し、軽く土寄せします。土寄せをすると、根の上部(首の部分)が地上に出て緑化する「青首」が安定し、株が倒れにくくなります。
肥料が不足すると根の太りが悪くなりますが、逆に多すぎたり、未熟な肥料を使ったりすると、又根や、根の中にすき間ができる「す入り」の原因になるので、適量を心がけます。水やりは、発芽期と生育初期は乾かさないようにし、根が育つ生育中盤以降は、土の表面が乾いたら与える程度で十分です。
極端な乾燥と過湿の繰り返しは、根が割れる「裂根(れっこん)」の原因になるので、水分を安定させると、なめらかで割れのない根に育ちます。
💡間引き後に追肥+土寄せで根を太らせます。水分を安定させると裂根を防げます。
-
4
収穫
約14日収穫適期は、品種にもよりますが、秋まきで種まきから60〜90日ほど。根の上部(首)の直径が6〜7cm以上になり、外葉が垂れ下がってきた頃が収穫の目安です。地上に出ている根の肩の張り具合や太さを見て、十分太っていれば収穫します。収穫は、葉のつけ根を持って、まっすぐ上に引き抜きます。
太く育ったダイコンが土からすぽっと抜ける瞬間は、家庭菜園の醍醐味です。収穫が遅れると、根の中にすき間ができる「す入り」になったり、とう立ち(花茎が伸びる)したりして食味が落ちるので、適期に収穫します。一度に使い切れない場合は、葉を切り落として(葉が水分を吸うため)、土に埋め戻して保存するか、新聞紙に包んで冷暗所に立てて保存します。葉も栄養豊富なので、菜飯や炒め物で食べましょう。
💡首が6〜7cm以上に太り外葉が垂れたら収穫。とり遅れると「す」が入るので適期に抜きます。
-
5
とう立ち・春まきの注意と保存
約14日ダイコンは、一定の低温に当たったあと、暖かくなって日が長くなると、花茎が伸びる「とう立ち(抽だい)」をします。とう立ちすると、根がスカスカになり、硬くなって食味が大きく落ちます。秋まきは、とう立ちの心配が少なく、寒さに当たって甘みも増すため、最も育てやすい作型です。
一方、春まきは、生育初期の低温(遅霜など)に当たるととう立ちしやすいので、暖かくなってからまくか、トンネルで保温し、とう立ちしにくい春まき用の品種を選びます。収穫後は、葉をつけたままにすると葉が根の水分を吸って「す」が入りやすくなるので、保存するときは葉を切り落とします。
冬の畑では、土に埋め戻したり、敷きわらで覆ったりすれば、必要に応じて掘り出して長く畑で保存できます。とう立ちした株でも、若い花茎(つぼみ)はおいしく食べられます。
💡秋まきはとう立ちの心配が少なく甘い。春まきは品種選びと保温を。保存は葉を切り落とします。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜400円
ダイコンの種
青首大根・ミニ大根など品種を選ぶ。
-
✓500〜1,200円
化成肥料・苦土石灰
元肥・追肥と酸度調整に。
-
○600〜1,500円
防虫ネット (任意)
害虫対策に。暖かい時期は必須。
-
○400〜1,000円
野菜用培養土(深型プランター用) (任意)
ミニ大根を鉢栽培する場合。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
アオムシ
よく発生症状: 葉に穴があき緑色の糞が残る。
予防: 防虫ネットで成虫の産卵を防ぐ。
対処: 見つけ次第捕殺、BT剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 15kcal
- ビタミンC
- 12mg
- ビタミンA
- 0μg
- ビタミンK
- 0μg
- 葉酸
- 34μg
- 鉄
- 0.2mg
- カルシウム
- 24mg
- カリウム
- 230mg
- 食物繊維
- 1.4g
旬・味: 冬が旬。寒さに当たると甘みが増す。消化酵素アミラーゼが豊富。
保存: 葉を切り落とし、新聞紙に包んで冷暗所に立てて保存。葉は別に冷蔵で早めに使う。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 又根(根が二股になる)
根が二股・三股に分かれて変形します。
原因: 石・硬い土・未熟堆肥など障害物への接触。
対策: 深く耕して石を除き、よく熟した肥料を使います。直まきで栽培します。
⚠ アオムシ・害虫の食害
葉が食害され、根に穴があきます。
原因: アブラナ科を好む害虫の食害。
対策: 種まき直後から防虫ネットで覆います。害虫の少ない秋まきも有効です。
⚠ す入り・裂根
根にすき間ができ、または割れます。
原因: 収穫遅れ、水分の急変、とう立ち。
対策: 適期に収穫し、水分を安定させます。保存時は葉を切り落とします。
FAQ
よくある質問
害虫が少なく育てやすく、寒さで甘みも増す秋(9月)が最もおすすめです。春(3〜4月)にもまけますが、低温でとう立ちしやすいので、暖かくなってからまくか、とう立ちしにくい春まき用品種を選びます。
「又根」で、根が伸びる途中で石・硬い土・未熟な堆肥などの障害物に当たるのが原因です。深さ30〜40cmまで深く耕して石を取り除き、よく熟した肥料を使うと、まっすぐな根に育ちます。
ダイコンは直根性で移植を嫌うため、苗からは育てず、畑に直接種をまく「直まき」が基本です。発芽がよく丈夫なので、種から手軽に育てられます。
「す入り」で、収穫遅れや、収穫後に葉をつけたまま置くこと、生育中の高温・乾燥などが原因です。適期に収穫し、保存時は葉を切り落とします。とう立ちした株もすが入りやすくなります。
アブラナ科でアオムシやアブラムシ、根に穴をあけるキスジノミハムシなどがつきます。種まき・発芽直後から防虫ネットで覆うのが最も効果的。害虫の少ない秋まきだと、より育てやすくなります。
「裂根」で、極端な乾燥のあとに急に水を吸うなど、水分の急変が主な原因です。発芽期・生育初期は乾かさず、その後も極端な乾湿差を避けて水分を安定させると、なめらかな根に育ちます。
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