ショウガ
Zingiber officinale Ginger
ショウガは、独特の爽やかな辛みと香りで、薬味や料理の風味づけ、体を温める食材として、日本の食卓に欠かせない香味野菜です。家庭菜園では、春に「...
かんたんに言うと
ショウガは高温多湿を好む香味野菜。暖かくなった4〜5月に種ショウガを植え、乾燥に弱いので夏は水切れと強い日ざしに注意。連作を嫌うので場所を変えます。
Profile
基本情報
ショウガは、独特の爽やかな辛みと香りで、薬味や料理の風味づけ、体を温める食材として、日本の食卓に欠かせない香味野菜です。家庭菜園では、春に「種ショウガ(食用のショウガでも可)」を植えて、秋に収穫します。地中で根茎(私たちが食べる部分)が育ち、掘り上げたときに大きく育ったショウガが現れる収穫の楽しさがあります。
高温多湿を好む熱帯原産の植物で、日本の蒸し暑い夏に元気に育つ一方、乾燥と寒さ、強い直射日光が苦手という、ほかの夏野菜とは少し違う性質を持ちます。栽培のポイントは、第一に、十分暖かくなった4〜5月に、種ショウガを植えること(寒さに弱いので早植えは禁物)。
第二に、乾燥に弱いので、夏は水切れに注意し、敷きわらや半日陰で乾燥と地温の上がりすぎを防ぐこと。半日陰でも育つので、日当たりが強すぎない場所が向きます。第三に、連作障害が出やすいので、一度育てた場所は3〜4年あけること。収穫は、夏に若い「葉ショウガ(谷中しょうが)」、秋に「新ショウガ」、さらに貯蔵してひね(古根)ショウガと、収穫時期で楽しみ方が変わります。
掘りたての新ショウガのみずみずしさと香りは、家庭栽培ならではのごちそうです。掘りたての新生姜の香りは格別で、家庭菜園ならではの味わいです。
💡豆知識
ショウガは熱帯アジア原産で、世界最古のスパイス・薬用植物のひとつとされ、数千年前から利用されてきました。日本へは古い時代に中国から伝わり、奈良時代には栽培されていたと考えられています。私たちが食べる部分は、根ではなく、地下茎が肥大した「根茎(こんけい)」です。
あの独特の辛みと香りは、「ジンゲロール」という成分によるもので、加熱すると体を温める働きが高まる「ショウガオール」に変化するとされ、薬味や生薬(しょうきょう)として、冷えや風邪の対策に古くから用いられてきました。日本では栽培されたショウガがほとんど花を咲かせませんが、原産地の熱帯では美しい花を咲かせます。
収穫時期で呼び名が変わるのも特徴で、若採りの「葉ショウガ」、秋掘りの繊維がやわらかい「新ショウガ」、貯蔵して辛みの増した「ひねショウガ(根ショウガ)」と、それぞれ違った味わいを楽しめます。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | 5月は植え付け | ||||||||||
| 収穫 | 8月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 8月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 8月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 40〜80cm
- 株張り
- 20〜30cm
- 実のサイズ
- 根茎(収穫物)
環境条件
- 日照
- 半日陰
- 耐寒温度
- 10℃
- 耐暑温度
- 38℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 乾燥に弱い。土を乾かさないよう、夏はたっぷり。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
種ショウガの植え付け
約14日ショウガは、種苗店やホームセンターで売られている「種ショウガ」を植えて育てます(食用のショウガでも芽が出れば育てられますが、病気のない種ショウガが確実です)。植え付け適期は、十分暖かくなった4〜5月。熱帯原産で寒さに弱く、地温が15℃以上ないと芽が出ないので、早植えは禁物です。
種ショウガは、50〜60gずつ(芽が2〜3個つくよう)に手で割り、切り口を数日乾かしてから植えます。日当たりが強すぎない、半日陰〜日なたで、乾燥しにくい場所を選びます。深さ5〜7cm、株間25〜30cmで、芽を上にして植えます。乾燥を嫌うので、水もちのよい土が向きます。
プランターは深さ30cm以上の大きめのものを使います。植え付け後はたっぷり水を与えます。発芽までは2週間〜1か月とゆっくりなので、焦らず待ちます。
💡寒さに弱いので4〜5月に。種ショウガを芽2〜3個ずつに割り、芽を上にして植えます。
-
2
乾燥対策と夏の管理
約90日ショウガは高温多湿を好み、日本の蒸し暑い夏に元気に育ちますが、乾燥には非常に弱いのが最大の注意点です。土が乾くと生育が止まり、根茎が太りません。とくに夏は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、乾かさないようにします。乾燥と地温の上がりすぎを防ぐため、株元に敷きわらやマルチ、刈った草などを敷く「マルチング」がとても効果的です。
また、ショウガは強い直射日光が苦手なので、半日陰になる場所や、夏の西日が避けられる場所が向きます。日なたで育てる場合は、ほかの背の高い作物(トウモロコシなど)の北側に植えて、適度に日陰を作るのも一つの方法です。乾燥としおれに注意しながら、水と適度な日陰を保つことが、ショウガを大きく育てるコツです。葉が黄ばんできたら、乾燥か肥料切れのサインです。
💡乾燥が大敵。夏は水切れ注意で、敷きわらで乾燥と地温上昇を防ぎます。強い日ざしも避けます。
-
3
追肥と土寄せ
約60日ショウガの根茎を大きく太らせるには、生育期の追肥と土寄せが大切です。植え付けの1〜2か月後(6〜7月)と、その3〜4週間後(8月)を目安に、化成肥料を株のまわりに追肥します。追肥のたびに、株元に土を寄せる「土寄せ」を行います。これは、新しく育つ根茎が地表に出て、緑色になったり乾燥したりするのを防ぐためで、土寄せをしっかりすると、白くてやわらかい良質なショウガが育ちます。
土寄せと追肥はセットで行うと効率的です。あわせて敷きわらを足して、乾燥対策も続けます。夏の生育期に、水・肥料・土寄せがそろうと、地中で根茎がぐんぐん分かれて大きくなっていきます。地上部は、細い葉が何本も立ち上がり、高さ40〜80cmに茂ります。生育期間が長いので、夏のあいだじっくり育てます。
💡生育期に追肥と土寄せをセットで2回ほど。土寄せで根茎の緑化を防ぎ白く育てます。
-
4
収穫(葉ショウガ・新ショウガ)
約30日ショウガは、収穫する時期によって、味わいと呼び名が変わるのが楽しいところです。【葉ショウガ】夏(7〜8月)、根茎がまだ小さい若いうちに、葉つきで早採りしたもの。「谷中しょうが」として、白い根茎の根元が赤みを帯び、味噌をつけて生で食べたり、甘酢漬けにしたりします。
【新ショウガ】秋(10〜11月)、地上部の葉が黄色く枯れ始めた頃に、株ごと掘り上げて収穫したもの。繊維がやわらかく、辛みもマイルドで、みずみずしいのが特徴。甘酢漬け(ガリ)や、料理に幅広く使えます。収穫は、株のわきにスコップを入れて、根茎を傷つけないよう、株元を持って掘り上げます。
植えた種ショウガは、収穫時には下にそのまま残っていることが多く、「ひねショウガ」として利用できます。掘りたての新ショウガの香りは格別です。
💡夏は若採りの葉ショウガ、秋(葉が枯れ始め)は新ショウガを株ごと掘り上げて収穫します。
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5
貯蔵と連作の注意
約14日秋に収穫したショウガを貯蔵すると、辛みと香りが増した「ひね(根)ショウガ」として、長く使えます。ただし、ショウガは寒さに弱く、低温(10℃以下)で傷むため、冷蔵庫よりも、13〜15℃くらいの冷えすぎない場所での保存が向きます。家庭では、使う分はラップやポリ袋で冷蔵し、長期保存なら、洗わずに土つきのまま新聞紙に包み、発泡スチロール箱などに入れて冷暗所(暖かめの場所)で保存します。
すりおろして冷凍したり、薄切りにして乾燥・酢漬けにしたりするのも便利です。栽培上の重要な注意として、ショウガは連作障害が非常に出やすいため、一度育てた場所では3〜4年あけてから栽培します。同じ場所で続けて作ると、根茎が腐る病気などが出やすくなります。プランターなら毎年新しい土で育てられるので、連作の心配がありません。
💡寒さに弱いので冷えすぎない冷暗所で貯蔵。連作障害が出やすく3〜4年は場所を変えます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓400〜900円
種ショウガ
病気のない種ショウガを使うのが確実。
-
✓400〜900円
化成肥料
元肥と生育期の追肥に。
-
○400〜1,200円
敷きわら・マルチ (任意)
乾燥と地温上昇を防ぐ。
-
○400〜1,000円
野菜用培養土(プランター用) (任意)
鉢栽培で連作を避けられる。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
まれ症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 28kcal
- ビタミンC
- 2mg
- ビタミンA
- 0μg
- ビタミンK
- 0μg
- 葉酸
- 8μg
- 鉄
- 0.5mg
- カルシウム
- 12mg
- カリウム
- 270mg
- 食物繊維
- 2.1g
旬・味: 新ショウガは秋が旬でみずみずしくマイルド。辛み成分ジンゲロールが特徴。
保存: 寒さに弱いので冷えすぎない冷暗所へ。すりおろして冷凍や酢漬けも便利。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 乾燥で生育不良
葉が黄ばみ、根茎が太りません。
原因: 乾燥(水切れ)、強い直射日光。
対策: 夏は乾かさず水やりし、敷きわらで乾燥を防ぎ、強い日ざしを避けます。
⚠ 低温で芽が出ない・腐る
植えても芽が出ず、種ショウガが腐ります。
原因: 寒さに弱いのに早植えした、低温。
対策: 地温が十分上がる4〜5月以降に植え付けます。切り口を乾かしてから植えます。
⚠ 連作障害
生育不良や根茎の腐敗が出ます。
原因: ショウガの連作。
対策: 3〜4年は場所を変えて栽培します。プランターなら新しい土を使います。
FAQ
よくある質問
寒さに弱く地温が15℃以上ないと芽が出ないので、十分暖かくなった4〜5月が適期です。早植えは禁物。種ショウガを芽が2〜3個つくよう50〜60gずつに割り、芽を上にして植えます。
芽が出れば育てられますが、市販の食用ショウガは発芽処理や病気の問題で芽が出にくいこともあります。確実なのは種苗店の「種ショウガ」を使うことです。
ショウガは強い直射日光が苦手で乾燥に弱いので、半日陰や、夏の西日が避けられる場所が向きます。日なたで育てる場合は、敷きわらで乾燥を防ぎ、背の高い作物の陰を利用するとよいでしょう。
乾燥(水切れ)、追肥・土寄せ不足、生育期間の不足が主な原因です。夏は乾かさず、生育期に追肥と土寄せをセットで行います。生育に時間がかかるので、秋まで十分育てることも大切です。
若採りの「葉ショウガ(谷中しょうが)」は夏(7〜8月)、繊維がやわらかい「新ショウガ」は秋(10〜11月、葉が枯れ始めた頃)に株ごと掘り上げます。収穫時期で味わいと呼び名が変わります。
ショウガは連作障害が非常に出やすいので、一度育てた場所は3〜4年あけます。同じ場所で続けると根茎が腐る病気などが出やすくなります。プランターなら毎年新しい土で育てられます。
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