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植物図鑑
🫐
枝に実ったオレンジ色のビワの実
🫐 果樹

ビワ

Eriobotrya japonica Loquat

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は1500〜4000円

ビワは、初夏にオレンジ色のやさしい甘さの実をつける常緑の果樹です。多くの果樹が春に花を咲かせるなか、ビワは晩秋から冬(11〜1月)にかけて、地...

かんたんに言うと

ビワは初夏に実る常緑果樹で、晩秋〜冬に開花する珍しい性質を持ちます。多くは1本で実り暖地向き。摘果と袋かけで大きく甘い実が採れます。接ぎ木苗が早く実ります。

Profile

基本情報

ビワは、初夏にオレンジ色のやさしい甘さの実をつける常緑の果樹です。多くの果樹が春に花を咲かせるなか、ビワは晩秋から冬(11〜1月)にかけて、地味ながら芳香のある白い花を咲かせるという珍しい性質を持ちます。つやのある大きな葉を一年中茂らせる常緑樹で、丈夫で病害虫にも比較的強く、暖地ではほとんど手をかけなくても実をつけるため、昔から庭木として親しまれてきました。

多くの品種が1本で実をつけるので、受粉樹がなくても収穫できる手軽さも魅力です。栽培のポイントは、第一に、暖かい気候を好む暖地向きの果樹で、冬の寒さ(とくに開花・幼果期の強い冷え込み)に弱いため、温暖な地域や、寒風の当たらない場所が向くこと。

第二に、放任すると大木になり、実も小さくなりがちなので、大きく甘い実を採るには、つぼみや実を間引く「摘蕾・摘果」と、実を守る「袋かけ」をすること。第三に、種から育てると実るまで長くかかり性質も変わるので、早く収穫したいなら接ぎ木苗を選ぶことです。

なお、ビワの葉は古くから健康茶(びわ茶)に利用されてきました。丈夫で育てやすく、初夏に優しい甘さの実を楽しめる、家庭向きの常緑果樹です。一年中つやのある葉を茂らせて庭に緑を保ち、冬には芳香のある花、初夏にはオレンジ色の実と、季節ごとに表情を見せてくれる、実も葉も活用できる頼もしい一本です。

バラ科
分類
果樹 / 常緑果樹
原産地
中国南部、日本
別名
枇杷、びわ、茂木びわ
適期
植え付けは3月
価格目安
苗は1500〜4000円

💡豆知識

ビワの名前と学名は、いずれも楽器の「琵琶(びわ)」に由来します。実や葉の形が琵琶に似ていることからこう呼ばれ、学名の種小名「japonica」は日本を意味しますが、原産は中国南部とされ、日本へは古い時代に伝わりました。ビワが晩秋から冬という、ほかの果樹がほとんど活動しない寒い時期に花を咲かせるのは独特で、冬の貴重な蜜源としてミツバチが訪れます。

果実は初夏に熟し、「枇杷(びわ)」は夏の季語にもなっています。長崎県の「茂木びわ」や千葉県の「房州びわ」が産地として有名です。ビワは実だけでなく、葉も有用で、古くから「びわの葉」は煎じてお茶(びわ茶)にしたり、民間療法に用いられたりしてきました。常緑で大きな葉が一年中茂り、丈夫で長寿なことから、縁起のよい庭木としても植えられてきた、暮らしになじみ深い果樹です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
開花
12月は開花
収穫
6月は収穫
剪定
4月は剪定
7月は剪定
追肥
3月は追肥
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
開花
12月は開花
収穫
6月は収穫
剪定
7月は剪定
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
開花
12月は開花
収穫
6月は収穫
剪定
7月は剪定

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ 長期
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
200〜600cm
株張り
200〜500cm
花のサイズ
白い小花が房状に咲く(芳香)
実のサイズ
直径3〜5cm

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-5℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
6.0〜6.5
水やり
地植えは根づけば降雨任せ。鉢植えと実の肥大期はたっぷり。
肥料
有機質肥料・果樹用化成肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    苗の選び方と植え付け

    約7日

    ビワは種からでも発芽しますが、実るまで非常に長くかかり、性質も親と変わってしまうため、接ぎ木苗を購入して育てるのが基本です。「茂木」「田中」などの品種があり、多くが1本で実をつけるので、受粉樹は基本的に不要です。植え付け適期は、寒さの和らぐ春(3〜4月)。

    ビワは寒さに弱い暖地向きの果樹なので、寒冷地での地植えは難しく、温暖な地域で、寒風や強い霜の当たらない、日当たりと水はけのよい場所を選びます。根鉢の倍ほどの穴を掘って堆肥を混ぜて植え、支柱で固定します。ビワは放任すると非常に大きな木(5〜6m以上)になるので、植え場所には十分なスペースを確保するか、鉢植え(矮性台木の苗)でコンパクトに育てます。植え付け後はたっぷり水を与えます。常緑樹なので、植え付け後も葉を保ちます。

    💡接ぎ木苗を寒さの和らぐ春に。暖地向きで寒風・強い霜を避け、大木化するので広い場所へ。

  2. 2

    開花と寒さ対策

    約60日

    ビワの大きな特徴が、ほかの果樹がほとんど活動しない晩秋から冬(11〜1月)にかけて、白い小花を房状に咲かせることです。芳香があり、冬の貴重な蜜源になります。多くの品種は1本で実をつける(自家結実性がある)ので、受粉樹がなくても実がなります。

    問題は、この開花期と、花後にできる小さな幼果が育つ時期が、一年で最も寒い冬と重なること。ビワは寒さに弱く、開花中の花や、ふくらみ始めた幼果が、強い霜や厳しい冷え込み(おおむね氷点下3〜5℃以下)に当たると傷んで枯れ、実つきが悪くなります。これが、ビワが暖地向きとされる最大の理由です。

    寒冷地に近い地域や、強い冷え込みが予想される場合は、幼果のついた枝に袋や不織布をかけて防寒すると、被害を減らせます。暖地では、特別な対策なしでも冬を越して実をつけます。

    💡晩秋〜冬に開花し多くは1本で結実。冬の花・幼果は寒さに弱いので、強い冷え込みは防寒します。

  3. 3

    摘蕾・摘果

    約30日

    大きく甘いビワを収穫するには、つぼみや実を間引く作業が欠かせません。ビワは1つの花房にたくさんの花が咲き、放任するとたくさんの小さな実がついて、一つひとつが小玉になってしまいます。まず、冬の開花前後に「摘蕾(てきらい)」を行い、1つの花房につく多数のつぼみのうち、先端側を切り取って、花の数を減らします。

    次に、実が小豆〜大豆大になった早春(3〜4月)に「摘果」をして、1つの花房に実を3〜5個程度残し、ほかを間引きます。さらに、傷のある実や、上向きで日焼けしやすい実を落とします。この摘蕾・摘果によって、残した実に養分が集中し、大きく甘い、見ばえのよいビワに育ちます。手間はかかりますが、家庭で市販品のような立派なビワを採るための、最も効果的な作業です。

    💡冬に摘蕾、早春に摘果して1房に実3〜5個に。残した実が大きく甘く育ちます。

  4. 4

    袋かけと収穫

    約30日

    摘果が終わったら、残した実(房)に「袋かけ」をします。専用の果実袋を房ごとかぶせることで、害虫や鳥の食害、強い日ざしによる日焼け、傷、病気から実を守れ、見た目も美しく仕上がります。家庭でも、袋かけをするとぐっと品質が上がります。袋かけは、摘果後の早春に行います。

    収穫は、初夏(5〜6月、暖地では早め)。実全体が、品種本来の濃いオレンジ色に色づき、軸の近くまで色がのって、触れると少しやわらかくなったら完熟のサインです。袋を開けて確認し、軸を持ってやさしく摘み取ります。ビワの実はとてもデリケートで、皮がむけやすく傷みやすいので、表面の白い果粉(ブルーム)を落とさないよう、そっと扱います。日持ちしないので、収穫したら早めに味わうのがおすすめ。樹上で完熟させた、もぎたてのビワの優しい甘さは格別です。

    💡摘果後に袋かけで実を保護。濃いオレンジに色づき少し柔らかくなったら完熟。やさしく収穫します。

  5. 5

    剪定と葉の活用

    約7日

    ビワの剪定は、収穫後の初夏(6〜7月)が適期です。この時期に、混み合った枝、内向きの枝、真上に勢いよく伸びる徒長枝、枯れ枝を整理して、樹冠内部まで日光と風が通るようにします。ビワは放任すると非常に高木になり、上のほうにばかり実がついて、摘果・袋かけ・収穫が困難になります。

    そのため、若木のうちから主枝を低く横へ広げるように仕立て、高くなりすぎる枝は切り詰めて、手の届く高さに樹高を抑えることが、家庭での管理を楽にする最大のコツです。常緑樹で葉が多いので、強剪定しすぎず、毎年少しずつ整えます。なお、ビワの葉は、古くから煎じて「びわ茶」として親しまれてきました。

    剪定で出た元気な葉を、よく洗って乾燥させ、刻んで煮出せば、ノンカフェインの健康茶として楽しめます。実も葉も活用できる、無駄のない果樹です。

    💡剪定は収穫後の初夏に。大木化を防ぐため低く仕立てると管理が楽。葉はびわ茶に活用できます。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • ビワの接ぎ木苗

    茂木・田中など品種を選ぶ。多くは1本で実る。

    1,500〜4,000円
  • 果実袋・剪定ばさみ

    袋かけと収穫後の剪定用。

    800〜2,500円
  • 有機質肥料・果樹用肥料

    年2〜3回の施肥に。

    500〜1,200円
  • 大型鉢(10号以上) (任意)

    矮性台木の苗を鉢植えする場合。

    1,000〜3,000円
初期費用の目安(必須のみ) 2,800〜7,700円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

病気

灰色かび病

まれ

症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。

予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。

対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。

病気

黒星病

時々

症状: 葉に黒い斑点が出て黄変し落葉する。

予防: 雨よけと風通し、落ち葉の除去。

対処: 罹病葉を処分し定期的に殺菌剤を散布。

Harvest

収穫の情報

収穫までの年数
接ぎ木苗から4〜6年で本格収穫
受粉樹
不要
収穫量の目安
成木1本で数十〜数百個
樹の寿命
常緑高木(数十年以上)
剪定時期
収穫後(初夏・6〜7月)の剪定

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 冬の寒さで実つきが悪い

花や幼果が傷み、実がつきません。

原因: 冬の開花・幼果期の強い霜・冷え込み(暖地向き果樹)。

対策: 温暖で寒風の当たらない場所に植え、寒冷地寄りでは幼果に袋や不織布で防寒します。

⚠ 実が小さい

小さな実がたくさんつきます。

原因: 摘蕾・摘果の不足。

対策: 冬に摘蕾、早春に摘果して1房3〜5個に減らし、養分を集中させます。

⚠ 大木化で管理困難

木が高くなりすぎて収穫できません。

原因: 放任による高木化。

対策: 若木から低く仕立て、収穫後の剪定で樹高を抑えます。

FAQ

よくある質問

なります。ビワは多くの品種が1本で実をつける自家結実性があるので、受粉樹がなくても収穫できます。手軽に育てられる家庭向きの果樹です。

ビワは暖地向きの果樹で寒さに弱く、とくに冬に咲く花や幼果が強い霜・冷え込みに当たると傷みます。寒冷地での実の収穫は難しく、温暖で寒風の当たらない場所が向きます。寒い地域では防寒が必要です。

ビワは晩秋から冬(11〜1月)に開花する珍しい性質を持つ果樹です。芳香のある白い花を房状に咲かせ、冬の蜜源になります。花後の幼果が寒さに弱いため、暖地向きとされます。

摘蕾・摘果の不足が主な原因です。放任すると小さな実が多くつきます。冬に摘蕾、早春に摘果して1房に実を3〜5個に減らすと、残した実に養分が集中して大きく甘くなります。

ビワは放任すると5〜6m以上の高木になります。若木のうちから主枝を低く横に広げて仕立て、収穫後(6〜7月)の剪定で高くなる枝を切り詰め、手の届く高さに抑えると管理が楽になります。

使えます。ビワの葉は古くから「びわ茶」として親しまれてきました。元気な葉をよく洗って乾燥させ、刻んで煮出すと、ノンカフェインの健康茶として楽しめます。剪定で出た葉を活用できます。

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