トウモロコシ
Zea mays Sweet Corn
トウモロコシ(スイートコーン)は、もぎたてをゆでて頬張る甘さが格別な、夏を代表する野菜です。収穫した瞬間から甘みがどんどん失われていくため、...
かんたんに言うと
トウモロコシは風媒受粉なので数列まとめてブロック状に植えるのがコツ。雌穂は上の1〜2本を残し、ひげが茶色くなった採れたてを味わうのが醍醐味です。
Profile
基本情報
トウモロコシ(スイートコーン)は、もぎたてをゆでて頬張る甘さが格別な、夏を代表する野菜です。収穫した瞬間から甘みがどんどん失われていくため、「畑からお湯まで全力疾走」といわれるほど鮮度が命。この採れたてのおいしさこそ、家庭菜園で育てる最大の醍醐味です。
背丈が高く育ち、夏の菜園にダイナミックな景観をつくります。栽培で最も重要なポイントが「受粉」。トウモロコシは、株の先端の雄穂(雄花)から出た花粉が、横から出る雌穂(ひげの部分)について受粉し、実が入ります。風で花粉を運ぶ「風媒花」なので、1列に並べて植えると受粉しにくく、実の入りがまばらになります。
そこで、何列かまとめて四角く「ブロック状」に植えるのが、粒のそろった実を作る最大のコツです。栽培のポイントは、第一に、暖かくなった春に種をまき(直まきが基本)、ブロック状に植えて受粉を確実にすること。第二に、1株に複数つく雌穂のうち、一番上の1〜2本だけ残して下を早めに採る(ヤングコーンとして利用)と、残した実が大きく充実すること。
第三に、アワノメイガなどの害虫対策をすること。収穫適期はわずか数日と短いので、ひげが茶色く縮れたら見逃さずに収穫します。手間に見合う、感動的な甘さが待っています。
💡豆知識
トウモロコシは、稲・小麦と並ぶ世界三大穀物のひとつで、原産地は中南米。古代マヤ・アステカ文明では主食として栽培され、神聖な作物とされていました。私たちが食べる甘いスイートコーンのほか、ポップコーン用、家畜の飼料用、コーンスターチなどの加工用と、用途ごとに多くの種類があります。
実の先から伸びる「ひげ」は、一本一本が雌花のめしべ(絹糸)で、その数は粒の数と同じ。つまり、ひげが多いほど粒も多いというわけです。収穫後に甘みが急速に落ちるのは、糖がデンプンに変わるため。近年は甘みが落ちにくく、生でも食べられるほど糖度の高い品種も登場しています。とれたてを生のままかじると、フルーツのような甘さに驚かされます。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | 5月は種まき | ||||||||||
| 開花 | 7月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | 5月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | 5月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 150〜250cm
- 株張り
- 30〜40cm
- 花のサイズ
- 頂部の雄穂と葉腋の雌穂(ひげ)
- 実のサイズ
- 長さ15〜20cmの雌穂
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 5℃
- 耐暑温度
- 38℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 生育・実入り期は乾かさないようたっぷり。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき・ブロック植え
約7日トウモロコシは移植をやや嫌うので、畑に直接まく「直まき」が基本ですが、ポットで育苗して植えてもかまいません。種まきは、十分暖かくなった4〜5月(気温15℃以上)。発芽適温は25〜30℃と高めです。最大のコツは「ブロック状」に植えること。トウモロコシは風で花粉を運ぶ風媒花なので、1列に並べると受粉が不十分になり、粒が歯抜けになります。
最低でも2列以上、できれば四角くまとめて、株間30cm前後で植えると、花粉がまんべんなく雌穂につき、粒のそろった実になります。1か所に2〜3粒まき、後で1本に間引きます。鳥に種を掘り返されやすいので、発芽までネットや不織布で守ると安心です。日当たりのよい場所を選びます。
💡受粉のため1列でなくブロック状(2列以上)に植えるのが最大のコツです。
-
2
間引き・追肥・土寄せ
約40日発芽して本葉が3〜4枚になったら、1か所1本になるよう、生育の良い株を残して間引きます。トウモロコシは肥料を好み、大きく育てるほど実も大きくなるので、追肥が大切です。草丈が50cmほどになった頃と、雄穂が出始める前の2回を目安に、化成肥料を株元に追肥します。
あわせて、株元に土を寄せる「土寄せ」をすると、根がしっかり張って倒れにくくなります。トウモロコシは背が高く根が浅いため、夏の風や台風で倒れやすいので、土寄せで支えることが大切です。株元から出るわき芽(分けつ枝)は、無理に取らず残しておくと、株が安定し光合成も増えて、かえって生育が良くなるとされます。
💡1本に間引き、生育期に2回追肥。土寄せで根を支え倒伏を防ぎます。
-
3
受粉(人工授粉)
約7日トウモロコシは、まず株の先端に雄穂(雄花)が出て花粉を飛ばし、少し遅れて葉のつけ根から雌穂が出て、その先からひげ(めしべ)が伸びます。風で花粉が運ばれて受粉しますが、株数が少ない家庭菜園では受粉が不十分になりがち。確実に粒をそろえるには「人工授粉」が有効です。
雄穂が花粉を出している時期に、雄穂を手で揺すって花粉を落とすか、雄穂を切り取って雌穂のひげに直接ふりかけます。ひげの一本一本が一粒に対応しているので、まんべんなく花粉をつけると、粒の詰まった実になります。受粉が不十分だと、粒が歯抜けの「すきっ歯」状態になります。朝のうちに行うと花粉がよく出て効果的です。
💡雄穂の花粉を雌穂のひげにふりかける人工授粉で、粒の歯抜けを防げます。
-
4
雌穂の選別とアワノメイガ対策
約14日1株に雌穂が複数つきますが、すべてを育てると養分が分散して実が小さくなります。一番上の充実した1〜2本を残し、下の雌穂は早めに摘み取ります。この若い雌穂は「ヤングコーン(ベビーコーン)」として丸ごとおいしく食べられるので無駄になりません。害虫では、ガの一種「アワノメイガ」に要注意。
幼虫が雄穂から侵入し、茎や実を食害します。雄穂に集まる習性があるので、受粉が済んだら雄穂を切り取ると被害を大きく減らせます。実を守るため、雌穂のひげが出た頃に防虫を兼ねて対処し、必要なら登録薬剤を使います。株元のふんや食害の穴を見つけたら、幼虫を捕殺します。早めの対策が、きれいな実を収穫する鍵です。
💡雌穂は上の1〜2本を残し下はヤングコーンに。受粉後は雄穂を切りアワノメイガ対策を。
-
5
収穫
約7日収穫適期は、受粉から20〜25日後のごく短い期間です。見極めの目安は、雌穂のひげが茶色く濃くなって縮れ、実がぷっくりと太ったとき。確認したいときは、皮を少しめくって先端の粒を見て、ふっくらと黄色く詰まっていれば食べごろです。収穫は、雌穂を手で下に向けてポキッと折り取ります。
トウモロコシは収穫した瞬間から甘み(糖分)がデンプンに変わって急速に落ちるため、できるだけ朝の涼しいうちに採り、すぐに調理するのが鉄則。「採ったらすぐゆでる」のが、感動的な甘さを味わう最大のコツです。すぐ食べない場合は、皮つきのまま冷蔵し、その日のうちに加熱します。とれたてを生でかじれる甘い品種なら、収穫の喜びもひとしおです。
💡ひげが茶色く縮れたら収穫適期。採ったらすぐ加熱するのが甘さを保つ鉄則です。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜600円
トウモロコシの種
甘みの強いスイートコーン品種を選ぶ。
-
✓400〜900円
化成肥料
肥料を好むので元肥と追肥に。
-
○500〜1,500円
防虫ネット・不織布 (任意)
発芽時の鳥よけや害虫対策に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
よく発生症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 89kcal
- ビタミンC
- 8mg
- ビタミンA
- 4μg
- ビタミンK
- 1μg
- 葉酸
- 95μg
- 鉄
- 0.8mg
- カルシウム
- 3mg
- カリウム
- 290mg
- 食物繊維
- 3.0g
旬・味: 夏が旬。採れたては糖度が高くフルーツのような甘さ。
保存: 鮮度が命。皮つきで冷蔵し、その日のうちに加熱。ゆでて冷凍も可能。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 受粉不足で粒が歯抜け
実の粒がまばらにしか入りません。
原因: 1列植えや株数不足による受粉不良。
対策: ブロック状に植え、雄穂の花粉を雌穂のひげにつける人工授粉をします。
⚠ アワノメイガの食害
茎や実に幼虫が入り食害されます。
原因: アワノメイガが雄穂から侵入。
対策: 受粉後に雄穂を切り取り、必要なら登録薬剤で防除、幼虫は捕殺します。
⚠ 倒伏
背の高い株が風で倒れます。
原因: 根が浅く、土寄せ不足。
対策: 生育中に株元へ土寄せして根を支え、倒れにくくします。
FAQ
よくある質問
受粉不足が原因です。トウモロコシは風媒花なので、1列でなく数列まとめてブロック状に植え、雄穂の花粉を雌穂のひげにふりかける人工授粉を行うと、粒のそろった実になります。
風で花粉を運ぶため、1列だと花粉が雌穂にうまくつかず受粉が不十分になります。四角くまとめて植えると花粉がまんべんなくつき、粒がよく詰まります。最低でも2列以上で植えましょう。
充実した実を採るなら、一番上の1〜2本に絞ります。下の雌穂は早めに摘み取り、ヤングコーン(ベビーコーン)として利用すると無駄になりません。残した実が大きく甘くなります。
ひげが茶色く濃くなって縮れ、実が太った頃(受粉から20〜25日)が適期です。皮を少しめくり先端の粒が詰まっていれば食べごろ。適期は短いので見逃さないようにします。
トウモロコシは収穫直後から甘みが急速に落ちます。朝の涼しいうちに採り、すぐにゆでる・蒸すのが鉄則です。すぐ食べない場合も皮つきで冷蔵し、その日のうちに加熱します。
ガの一種アワノメイガの幼虫です。雄穂に集まるので、受粉が済んだら雄穂を切り取ると被害を減らせます。ひげが出る頃に防除し、食害の穴や糞を見つけたら幼虫を捕殺します。
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