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植物図鑑
🫐
赤紫色に熟したパッションフルーツの実とつる
🫐 果樹

パッションフルーツ

Passiflora edulis Passion Fruit

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は600〜2000円

パッションフルーツは、甘ずっぱく、トロピカルな香りの果汁と、つぶつぶの種を、つるんと味わう、南国生まれのつる性果樹です。和名を「クダモノトケ...

かんたんに言うと

パッションフルーツ(クダモノトケイソウ)は、甘ずっぱい果汁が魅力の南国のつる性果樹。生育おう盛でグリーンカーテンにもなり、夏に独特の花と実を楽しめます。暑さに強く寒さにやや弱いので、寒い地域は鉢植えで冬は室内へ。品種により人工受粉すると実つきがよくなります。

Profile

基本情報

パッションフルーツは、甘ずっぱく、トロピカルな香りの果汁と、つぶつぶの種を、つるんと味わう、南国生まれのつる性果樹です。和名を「クダモノトケイソウ(果物時計草)」といい、これは、花の形が、時計の文字盤と針のように見える、トケイソウの仲間で、食用になる実をつけることに、由来します。

じつは、観賞用として人気の「トケイソウ(パッシフローラ)」の、食用版が、このパッションフルーツ。直径6〜8cmほどの、丸い実は、熟すと、赤紫色や、黄色になり、半分に切ると、中に、ゼリー状の、オレンジ色の果肉と、黒い種が、ぎっしり。スプーンで、すくって、種ごと食べると、さわやかな酸味と、ゆたかな香りが、口いっぱいに広がります。

パッションフルーツは、つる性で、グリーンカーテンとしても、人気。生育おう盛で、つるを、ぐんぐん伸ばし、夏に、エキゾチックな、美しい花を咲かせながら、実をつけるので、緑の日よけと、収穫の、両方を楽しめます。南国生まれだけあって、暑さには強い一方、寒さには、やや弱く、霜に当たると傷むため、温暖な地域では、屋外で、越冬できますが、寒い地域では、鉢植えにして、冬は、室内に取り込むと安心です。

近年は、家庭でも、グリーンカーテン&果樹として、人気が高まり、苗も、手に入りやすくなりました。花も、実も、楽しめて、夏の日よけにもなる、一石何鳥もの、魅力あふれる果樹です。

分類
果樹 / 常緑果樹
原産地
ブラジル、南アメリカ
別名
パッションフルーツ、クダモノトケイソウ、果物時計草、パッシフローラ
適期
植え付けは5月
価格目安
苗は600〜2000円

💡豆知識

パッションフルーツの「パッション」は、英語で「情熱」という意味で知られますが、この名前は、じつは「情熱の果実」ではなく「キリストの受難(Passion)」に由来します。トケイソウの、独特な花の形を、大航海時代に、南米へやってきた宣教師たちが、キリストの受難の物語(十字架や、いばらの冠、釘など)になぞらえ「受難の花(Passion flower)」と呼んだことから、その実が「パッションフルーツ」と呼ばれるようになりました。

和名「トケイソウ(時計草)」は、同じ花を、時計の文字盤に見立てた、日本らしい、平和な命名で、3本に分かれた、めしべを「時計の針」、放射状に広がる、糸状の部分を「文字盤」に、見立てたものです。パッションフルーツの実には、赤紫色になる品種と、黄色になる品種があり、一般に、赤紫系は、自分の花粉で実がなりやすい(自家結実性がある)一方、黄色系は、別の株の花粉が必要なことが多い、といわれます。

香りのよい果汁は、ジュースや、ゼリー、ムース、お菓子のソースなど、さまざまに使われ、南国のカクテルや、デザートでも、おなじみ。沖縄や、鹿児島など、温暖な地域が、国内の主な産地です。花は、わずか1日で、しぼんでしまう、一日花ですが、その、神秘的で、エキゾチックな美しさは、見る人を、魅了します。観賞・グリーンカーテン・収穫と、三拍子そろった、楽しい果樹です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
5月は植え付け
開花
7月は開花
収穫
9月は収穫
病害虫注意
11月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
5月は植え付け
開花
7月は開花
収穫
9月は収穫
病害虫注意
11月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
5月は植え付け
開花
7月は開花
収穫
9月は収穫
病害虫注意
11月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ 早い
手軽さ(コスト) やや高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
100〜500cm
株張り
100〜300cm
花のサイズ
径6〜9cmの花(時計の文字盤状・一日花)
実のサイズ
径6〜8cmの丸い実(赤紫・黄)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
3℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
生育期はよく吸うのでたっぷり。乾燥に注意。冬は控えめ。
肥料
化成肥料・有機質肥料・液体肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    植え付けとつるの誘引(グリーンカーテン)

    約14日

    パッションフルーツは、種からも育てられますが、収穫を早く楽しむなら、園芸店で出回る苗を植えるのが手軽です。植え付けの適期は、十分に暖かくなった、春〜初夏(5〜6月)。南国生まれで、寒さに弱いので、霜の心配がなくなってから植えます。植え付け場所は、日当たりのよい場所を選びます。

    パッションフルーツは、生育おう盛な、つる性植物なので、つるを、はわせるための、ネットや、支柱、フェンスなどを、用意します。ベランダや、窓辺に、ネットを張って、つるを誘引すると、夏の日よけになる「グリーンカーテン」として、緑の日よけと、収穫の、両方を楽しめます。

    地植えにすると、生育がおう盛になりすぎて、つるばかり茂ることもあるので、家庭では、大型のプランターや、鉢に植えると、生育を、ほどよく抑えられ、寒い地域では、冬に、室内へ、取り込めるので、便利です。鉢は、つるの勢いに負けない、大きめのものを選び、水はけのよい、果樹・野菜用の培養土を使います。

    植え付けたら、たっぷり水を与え、伸びてきた、つるを、ネットや支柱に、こまめに誘引して、面に広げていきます。巻きひげで、自分でも、からまりますが、誘引してやると、きれいな、緑のカーテンに、仕立てられます。

    💡暖かくなる5〜6月に日当たりよく植える。ネットや支柱で誘引しグリーンカーテンに。鉢植えだと生育を抑えられ冬に室内へ移せる。

  2. 2

    水やりと肥料(生育おう盛)

    約60日

    パッションフルーツは、生育おう盛で、夏に、つるを、ぐんぐん伸ばし、葉を、たくさん茂らせるので、水と肥料を、よく必要とします。水やりは、生育期の、春から夏にかけては、葉から、さかんに、水分を蒸散させるので、土が乾いたら、たっぷりと与えます。とくに、真夏や、鉢植えは、乾きやすく、水切れすると、葉が、しおれたり、実つきが、悪くなったりするので、朝夕、水の状態を、こまめにチェックします。

    グリーンカーテンに、仕立てている場合は、葉の量が多い分、とくに、水切れしやすいので、注意します。一方、冬は、生育が、ゆるやかになるので、水やりは、控えめにします。肥料は、生育おう盛で、肥料食いなので、生育期の、春から、実をつける夏にかけて、緩効性の肥料を、定期的に施したり、薄めの液体肥料を、ときどき与えたりして、肥料を、切らさないようにします。

    とくに、実がつき始めたら、実を、太らせるために、追肥をします。ただし、窒素分の多い肥料を、与えすぎると、つると葉ばかり茂って、花や実が、つきにくくなる「つるぼけ」になるので、リン酸分も含む、バランスのよい肥料にします。生育おう盛な分、水と肥料を、しっかり与えて、つるを充実させることが、花と実を、たくさんつける基本です。

    💡生育おう盛で水・肥料をよく要る。夏は水切れ注意(とくにカーテン仕立て・鉢)。生育期に定期追肥、窒素過多はつるぼけに注意。冬は控えめ。

  3. 3

    摘心と人工受粉(実つきをよくする)

    約30日

    パッションフルーツの実つきを、よくするには、ふたつの、コツがあります。ひとつは「摘心(てきしん)」。パッションフルーツの花は、その年に伸びた、わき芽(子づる)に、つきやすい性質があります。そこで、つるが、ある程度伸びたら、親づるの先端を、摘み取る摘心をすると、わき芽(子づる)が、たくさん出て、花のつく枝が、ふえ、結果として、実つきが、よくなります。

    グリーンカーテンに、面で広げるためにも、摘心して、枝数をふやすのは、効果的です。もうひとつが「人工受粉」。パッションフルーツの、神秘的な花は、わずか1日で、しぼむ一日花。実をつけるには、この、花が咲いている、わずかな時間に、受粉させる必要があります。

    品種によっては、自分の花粉で、実がなりますが(赤紫系に多い)、黄色系などは、別の株の花粉が、必要なことも。確実に、実をつけるには、花が咲いた日の、午前中に、人工受粉を、するのがおすすめ。花の中の、雄しべの、黄色い花粉を、筆や、指先に取って、3本に分かれた、めしべの先(柱頭)に、ちょんちょんと、つけてやります。

    複数の株があれば、別の株の花粉を、つけると、より、実つきが、よくなります。受粉が、うまくいくと、花の付け根が、ふくらんで、緑色の、丸い実が、育ち始めます。ひと手間かけることで、たくさんの実を、収穫できます。

    💡つるを摘心するとわき芽(花のつく子づる)がふえ実つき向上。花は一日花なので、咲いた日の午前に人工受粉を。複数株だと結実がよい。

  4. 4

    実を熟させて収穫する

    約60日

    パッションフルーツは、受粉してから、実が熟すまで、夏のあいだに、緑色の丸い実が、だんだん大きくなり、やがて、品種に応じて、赤紫色や、黄色に、色づいていきます。実が、しっかり色づいてきたら、収穫が近いサイン。収穫の、いちばん分かりやすい目安が「実が、自然に、ぽとりと落ちること」です。

    パッションフルーツは、完熟すると、実が、つるから自然に、離れて、地面に落ちます。落ちた実は、完熟して、いちばん、香りも甘みも、のった状態なので、地面に、わらや、ネットを敷いておいて、落ちた実を、拾い集めるか、十分に色づいて、軽く触れると、ぽろっと取れる実を、収穫します。

    まだ、かたく、表面が、つるつるの実は、未熟なので、収穫は、もう少し待ちます。収穫したばかりの実は、表面が、つるつるしていますが、しばらく、常温に置いて「追熟(ついじゅく)」させると、表面に、しわが寄ってきます。じつは、この、表面が、少ししわしわになったころが、酸味が、まろやかになって、香りと甘みが、いちばん、のった、食べごろ。

    半分に切って、中の、ゼリー状の果肉と種を、スプーンで、すくって、種ごと、味わいます。さわやかな酸味と、トロピカルな、ゆたかな香りは、まさに、南国の味。ジュースや、ヨーグルト、お菓子のソースにも、よく合います。夏の日よけにしながら、こんな、ぜいたくな実を、収穫できるのが、パッションフルーツの、大きな魅力です。

    💡実が色づき、自然にぽとりと落ちたら完熟のサイン。落ちた実を拾うか、ぽろっと取れる実を収穫。常温で追熟し、表面がしわになったころが食べごろ。

  5. 5

    冬越し(寒さに弱い)

    約120日

    パッションフルーツ栽培で、いちばん、気をつけたいのが「冬越し」です。南国(ブラジルなど)生まれの、パッションフルーツは、暑さには、たいへん強い一方、寒さには、やや弱く、霜に当たったり、気温が、5度を下回るような、強い寒さに、さらされたりすると、傷んだり、枯れたりします。

    そのため、冬越しのしかたは、お住まいの地域によって、変わります。沖縄や、九州南部など、冬でも、暖かく、霜が、ほとんど降りない、温暖な地域では、地植えのままでも、屋外で、冬を越せることがあります。それでも、寒波のときは、株元を、わらや、腐葉土で、覆って、防寒すると安心です。

    一方、関東以北や、冬に、霜が降り、氷点下になる、寒い地域では、屋外での冬越しは難しいので、鉢植えにしておき、気温が下がる前(霜が降りる前)に、室内の、日当たりのよい、暖かい窓辺に、取り込んで、冬を越させます。これが、鉢植えを、おすすめする、いちばんの理由です。

    室内に取り込んだら、生育が、ゆるやかになるので、水やりは、控えめにし、乾かし気味に管理します。暖かくなる、春に、再び、屋外に出して、生育を、再開させます。寒い地域では、一年草のように、毎年、苗を、買い直して育てる、という方法もあります。冬の寒さ対策さえ、押さえれば、暑い夏に、ぐんぐん育って、グリーンカーテンと、南国の果実を、楽しませてくれる、たのもしい果樹です。

    💡寒さにやや弱く霜・5度以下で傷む。温暖地は株元防寒で屋外越冬可、寒地は鉢植えで霜前に室内の窓辺へ。室内では水控えめ、春に屋外へ。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • パッションフルーツの苗

    春〜初夏に出回る。赤紫系・黄色系がある。

    600〜2,000円
  • 大型のプランター・鉢 (任意)

    つるの勢いに負けない大きめの容器。

    500〜2,500円
  • ネット・支柱

    グリーンカーテン・誘引用。

    500〜2,000円
  • 果樹・野菜用肥料 (任意)

    生育期の追肥に。リン酸も含むものを。

    500〜1,500円
初期費用の目安(必須のみ) 1,100〜4,000円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

害虫

コナジラミ

まれ

症状: 株を揺らすと白い虫が舞う、すす病を誘発。

予防: 黄色粘着トラップを設置、風通しを確保。

対処: 薬剤を散布、天敵を活用。

Harvest

収穫の情報

収穫までの年数
苗から同年〜翌年で収穫できることが多い
受粉樹
必要(品種により自家結実(赤紫系)/別株の花粉が必要(黄色系)。一日花のため人工受粉が確実)
収穫量の目安
生育おう盛で1株から多数の実
樹の寿命
つる性の多年生(数年。寒地では一年草扱いも)
剪定時期
生育期に摘心して子づるをふやす。冬は寒さよけと整理

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 冬の寒さで傷む・枯れる

霜や強い寒さで葉が傷み、株が枯れます。

原因: 南国生まれで寒さに弱いのに、霜や5度以下に当てた。

対策: 寒地は鉢植えで霜前に室内へ、温暖地は株元を防寒します。

⚠ つるぼけで花・実がつかない

つると葉ばかり茂り、花や実がつきません。

原因: 窒素肥料の与えすぎ、摘心不足、日照不足。

対策: リン酸を含む肥料にし、摘心で子づるをふやし、日当たりよく育てます。

⚠ 受粉せず実がつかない

花は咲くのに実がなりません。

原因: 一日花で受粉のタイミングを逃した、品種が自家不和合。

対策: 咲いた日の午前に人工受粉。黄色系は別株の花粉を使います。

FAQ

よくある質問

はい、パッションフルーツは生育おう盛で育てやすく、グリーンカーテンと収穫を一度に楽しめる、人気の果樹です。日当たりよく、水と肥料を切らさず、ネットや支柱に誘引すれば、夏にぐんぐん育ちます。ただし寒さにやや弱いので冬越しに工夫が要り、品種により人工受粉すると実つきがよくなります。鉢植えが管理しやすくおすすめです。

はい、パッションフルーツは生育おう盛なつる性植物で、ネットや支柱に誘引すると、夏の日よけになるグリーンカーテンに仕立てられます。緑の日よけと、エキゾチックな花、そして果実の収穫を一度に楽しめるのが大きな魅力。つるを摘心して枝数をふやすと、面で広がり、花も実もふえます。

品種によります。赤紫系は自分の花粉で実がなりやすい(自家結実性)一方、黄色系などは別の株の花粉が必要なことが多いです。花は1日でしぼむ一日花なので、確実に実をつけるには、花が咲いた日の午前中に、花粉をめしべの先につける人工受粉がおすすめ。複数の株があれば、別株の花粉をつけると、より実つきがよくなります。

実が赤紫や黄色にしっかり色づき、自然にぽとりと落ちたら完熟のサインです。落ちた実を拾うか、軽く触れてぽろっと取れる実を収穫します。収穫後、常温で追熟させ、表面に少ししわが寄ったころが、酸味がまろやかになり、香りと甘みののった食べごろ。半分に切って、果肉と種をスプーンで味わいます。

パッションフルーツは寒さにやや弱く、霜や5度以下の寒さで傷みます。沖縄・九州南部など温暖な地域は、株元を防寒すれば屋外で越冬できることもあります。関東以北など寒い地域は、鉢植えにして、霜が降りる前に室内の日当たりのよい窓辺へ取り込みます。室内では水を控えめにし、春に再び屋外へ出します。

「つるぼけ」といい、窒素分の多い肥料の与えすぎが主な原因です。リン酸分も含むバランスのよい肥料にし、窒素過多を避けます。また、つるを摘心してわき芽(花のつく子づる)をふやし、日当たりよく育てると、花と実がつきやすくなります。一日花なので、咲いた日の人工受粉も実つきに有効です。

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