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植物図鑑
🫐
熟して割れた赤いザクロの実
🫐 果樹

ザクロ

Punica granatum Pomegranate

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は1500〜4000円

ザクロ(石榴)は、初夏に鮮やかな朱赤色の花を咲かせ、秋に宝石のような赤い果実をつける落葉果樹です。熟して割れた果実の中には、ルビーのように透...

かんたんに言うと

ザクロ(石榴)は初夏に朱赤の花、秋に宝石のような赤い実をつける落葉果樹。乾燥と暑さに強く丈夫で、多くは1本で実ります。鉢植えや矮性種でも楽しめます。

Profile

基本情報

ザクロ(石榴)は、初夏に鮮やかな朱赤色の花を咲かせ、秋に宝石のような赤い果実をつける落葉果樹です。熟して割れた果実の中には、ルビーのように透き通った赤い粒(種子を包む果肉)がぎっしりと詰まり、甘酸っぱくジューシーな独特の味わいが楽しめます。

生食のほか、ジュースやグレナデンシロップ、料理のソース、果実酒などに利用され、近年は抗酸化成分やポリフェノールを豊富に含む「スーパーフード」としても注目されています。原産は中近東から中央アジアで、乾燥した暑い気候に強く、日当たりさえよければやせ地でもよく育つ丈夫な果樹です。

花も美しく、八重咲きで実をつけない観賞用の「ハナザクロ」もあり、花木としても親しまれてきました。寒さにも比較的強く、樹高は2〜5mほど。鉢植えでコンパクトに育てることもでき、矮性の「ヒメザクロ(一才ザクロ)」は小さな鉢でも花と実を楽しめます。

多くの品種は1本で実がなる自家結実性をもつのも、家庭果樹として育てやすいポイント。ただし、日本の梅雨や秋の長雨で実が割れやすいので、水はけと日当たりのよい場所選びが大切です。花・実・紅葉と、四季を通じて見どころの多い果樹です。子孫繁栄や豊穣の象徴として縁起のよい果実とされ、記念樹や贈り物としても親しまれてきました。

分類
果樹 / 落葉果樹
原産地
イラン、中央アジア、中近東
別名
石榴、柘榴、ざくろ、ポメグラネート
適期
植え付けは12月
価格目安
苗は1500〜4000円

💡豆知識

ザクロは人類が最も古くから栽培してきた果樹のひとつで、原産地の中近東では数千年前から親しまれ、聖書やギリシャ神話、コーランなど世界の神話・宗教にたびたび登場します。たくさんの種子をもつことから、洋の東西を問わず「豊穣」「子孫繁栄」「生命」の象徴とされ、縁起のよい果実として扱われてきました。

ギリシャ神話では、冥界の女神ペルセフォネがザクロの実を食べたために冥界と地上を行き来することになり、これが季節(四季)の起源を説明する物語として語られます。日本へは平安時代までに中国経由で伝わったとされ、庭木や生薬として利用されてきました。

果実の鮮やかな赤色は、グレナデンシロップやザクロジュースとして世界中で親しまれ、近年はポリフェノールやエラグ酸などの健康成分が豊富なことから、美容・健康面でも人気が高まっています。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
開花
6月は開花
収穫
10月は収穫
剪定
1月は剪定
追肥
1月は追肥
病害虫注意
6月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
開花
6月は開花
収穫
10月は収穫
剪定
1月は剪定
追肥
1月は追肥
病害虫注意
6月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
開花
6月は開花
収穫
10月は収穫
剪定
1月は剪定
追肥
1月は追肥
病害虫注意
6月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ 普通
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
100〜500cm
株張り
100〜400cm
花のサイズ
直径3〜5cmの朱赤花
実のサイズ
直径5〜12cm

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-15℃
耐暑温度
40℃
土壌pH
5.5〜7.0
水やり
地植えは根づけば乾燥時に。鉢植えは表面が乾いたらたっぷり。
肥料
果樹用肥料・有機質肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    苗木の植え付け

    約7日

    ザクロは苗木から育てるのが一般的です。多くの品種は1本で実がなる自家結実性をもつので、受粉樹は基本的に不要。果実を楽しみたいなら実なり用の品種を、花を主に楽しみたいなら八重咲きの「ハナザクロ」を、省スペースなら鉢向きの矮性種「ヒメザクロ」を選ぶとよいでしょう。

    植え付け適期は、落葉している休眠期の11〜3月(厳寒期は避ける)、または春の芽出し前です。ザクロは日光が大好きで、日当たりが悪いと花や実つきが極端に悪くなるため、一日中よく日が当たる場所を選びます。乾燥には強い反面、過湿と水はけの悪さを嫌うので、水はけのよい場所に植えます。庭植えは植え穴に堆肥を混ぜて植え、鉢植えは8〜10号以上の鉢に果樹用の培養土で植え、支柱で固定します。

    💡多くは1本で実ります。日当たり最優先で、水はけよく植えます。

  2. 2

    日当たり・水やり・施肥

    約120日

    ザクロを上手に育てる最大のポイントは、十分な日光です。日当たりのよい場所でこそ、よく花が咲いて実がつきます。日照不足は花も実も減る最大の原因なので、できるだけ日の当たる場所で育てましょう。水やりは、乾燥に強い果樹なので、庭植えで根づいた木は乾燥が続くとき以外ほとんど不要です。

    鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり与えますが、過湿にならないよう水はけを確保します。肥料は、落葉期の冬に寒肥として有機質肥料を施すのが基本。チッ素分の多い肥料を与えすぎると、枝葉ばかり茂って花つきが悪くなるので、施肥は控えめにし、花や実を充実させるリン酸分を含む果樹用肥料を適量与えます。暑さに強いので、真夏も元気に育ち、初夏の鮮やかな朱赤の花を楽しめます。

    💡日当たりが最重要。乾燥に強く水やり控えめ、チッ素過多に注意します。

  3. 3

    開花と摘果

    約90日

    初夏(6〜7月ごろ)、枝先に鮮やかな朱赤色の花を咲かせます。筒状の萼から花びらがのぞく独特の花姿で、観賞価値も高いです。自家結実性なので、1本でも自然に実がつきます。ただし、咲いた花のすべてが実になるわけではなく、雌しべの長い「長花柱花」が実になりやすく、雌しべの短い花は実になりにくい性質があります。

    実がつきすぎた場合は、一つひとつを大きく充実させるため、小さい実や混み合った実を間引く「摘果(てきか)」をすると、残した実が大きく甘く育ちます。若木のうちや実つきが少ない年は、無理に摘果しなくてもかまいません。実は夏のあいだに少しずつ大きくなり、秋に向けて色づいていきます。木の勢いを見ながら、実の数を調整するとよいでしょう。

    💡1本で実ります。実が多い年は摘果して大きく充実した実に育てます。

  4. 4

    剪定で樹形を整える

    約7日

    ザクロの剪定は、落葉して休眠している冬(12〜2月)に行うのが基本です。ザクロは株元やつけ根から「ひこばえ(やご)」と呼ばれる若い枝がたくさん出やすいので、これを放任すると株立ち状に茂って混み合います。不要なひこばえや、混み合った枝、内向きの枝、枯れ枝、徒長枝を整理し、樹の内部まで日光と風が通るようにします。

    ザクロの花芽は、その年に伸びた短い枝の先につきやすいので、強く切り戻しすぎると花が減ることがあります。長く伸びた枝の整理を中心に、花芽のつく短い枝はできるだけ残すように剪定します。鉢植えでコンパクトに育てたい場合は、全体の大きさを抑えるように整えます。トゲのある品種もあるので、作業時は手袋を使うと安全です。樹形を整えると、花つき・実つきがよくなり、秋には美しく紅葉します。

    💡ひこばえを整理し、花芽のつく短い枝を残します。トゲに注意します。

  5. 5

    実割れ対策と収穫

    約30日

    ザクロの実は、秋(9〜10月ごろ)、果皮全体が濃い赤色や赤褐色に色づき、実が大きく張ってきたら収穫期です。完熟すると、実が自然に割れて中の赤い粒が見えるようになります。ただし、日本では収穫期に秋の長雨が当たると、熟す前に実が割れてしまう「裂果(れっか)」が起こりやすいのが悩みどころ。

    割れた実は雨で傷んだり、虫や鳥に食べられたりしやすいので、色づいてきたら割れる前に少し早めに収穫するのも一つの方法です。雨よけや袋かけができれば、きれいな実を収穫しやすくなります。収穫はハサミで枝ごと切り取ります。食べるときは、実を割って中の赤い粒(仮種皮)を取り出します。生食のほか、絞ってジュースやシロップに、料理のアクセントにと幅広く使えます。落葉後の冬は、葉を落とした枝姿も趣があります。

    💡秋に濃い赤色に色づいたら収穫。長雨の裂果に注意し早めの収穫も有効です。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • ザクロの苗木

    実なり用・矮性のヒメザクロなど目的で選ぶ。

    1,500〜4,000円
  • 果樹用培養土

    水はけのよい土。

    500〜1,200円
  • 果樹用肥料・有機質肥料

    寒肥を中心に。チッ素控えめ。

    600〜1,500円
  • 鉢(8〜10号以上) (任意)

    鉢植えで育てる場合。

    1,000〜3,000円
初期費用の目安(必須のみ) 2,600〜6,700円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

よく発生

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

コナジラミ

時々

症状: 株を揺らすと白い虫が舞う、すす病を誘発。

予防: 黄色粘着トラップを設置、風通しを確保。

対処: 薬剤を散布、天敵を活用。

Harvest

収穫の情報

収穫までの年数
苗木から3〜4年で本格収穫(矮性種は2〜3年)
受粉樹
不要
収穫量の目安
成木1本で数十個
樹の寿命
落葉小高木(数十年以上)
剪定時期
冬(落葉期・12〜2月)の剪定

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 日照不足で花・実が少ない

枝葉は茂るのに花や実がつきません。

原因: 日当たり不足、チッ素肥料の与えすぎ。

対策: 日のよく当たる場所で育て、チッ素を控えてリン酸分を補います。

⚠ 秋の長雨で実が割れる

収穫前に実が割れて傷みます。

原因: 収穫期の長雨による裂果。

対策: 色づいたら割れる前に早めに収穫し、雨よけや袋かけをします。

⚠ ひこばえが茂って混み合う

株元から若枝が多数出て樹形が乱れます。

原因: ザクロ特有のひこばえ(やご)の発生。

対策: 不要なひこばえを冬の剪定で整理し、風通しをよくします。

FAQ

よくある質問

なります。ザクロの多くの品種は1本で実がなる自家結実性をもつため、受粉樹は基本的に不要です。ただし、日当たりが悪いと花も実も減るので、日のよく当たる場所で育てることが大切です。

育てられます。8〜10号以上の鉢で育てられ、矮性の「ヒメザクロ(一才ザクロ)」なら小さな鉢でも花と実を楽しめます。鉢植えは日当たりのよい場所に置き、過湿を避けて管理します。

ザクロは雌しべの長い花が実になりやすく、短い花は実になりにくい性質があります。また日照不足や、チッ素肥料の与えすぎで枝葉ばかり茂ると実つきが落ちます。日当たりを確保し、施肥を控えめにしましょう。

収穫期の秋に長雨が当たると、熟す前に実が割れる「裂果」が起こりやすいです。色づいてきたら割れる前に少し早めに収穫するか、雨よけや袋かけで対策します。割れた実は早めに利用します。

比較的寒さに強く、関東以西の暖地はもちろん、ある程度の寒冷地でも育てられます。ただし暑さと日当たりを好むので、日のよく当たる場所が適地です。鉢植えなら寒い地域でも軒下などで管理しやすいです。

熟した実を割って、中の赤い粒(仮種皮)を取り出して生で食べます。甘酸っぱくジューシーです。絞ってジュースやグレナデンシロップに、料理のソースやサラダのアクセントにも使えます。ポリフェノールが豊富です。

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