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植物図鑑
🍄
細い柄が束になって伸びたエノキタケ
🍄 きのこ

エノキタケ

Flammulina velutipes Enoki

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 鉢植えは1000〜2500円

エノキタケは、白く細い柄が束になって伸びる、鍋物でおなじみの食用きのこです。スーパーでよく見る、もやしのように白くてひょろ長いエノキは、じつ...

かんたんに言うと

エノキタケは細い柄が束になる鍋物の定番きのこ。白く長いのは光を当てず二酸化炭素のこもった環境で育てた姿。寒さに強い冬のきのこで、8〜12度前後の低温でよく発生。菌床キットで育てられ、直射日光は不要、乾燥させないのがコツ。

Profile

基本情報

エノキタケは、白く細い柄が束になって伸びる、鍋物でおなじみの食用きのこです。スーパーでよく見る、もやしのように白くてひょろ長いエノキは、じつは栽培ならではの姿。光を当てず、二酸化炭素のこもった環境で育てることで、かさが小さいまま柄だけがすらりと長く伸びるよう、人の手で仕立てられたものです。

一方、自然のエノキタケは、これとはまったく違う姿で、茶色っぽいあめ色のかさをもち、柄もやや短く、野生では「なめたけ」とも呼ばれます。家庭でも、菌床栽培キットを使えば、このエノキタケを育てて収穫できます。エノキタケは、寒さに強く、ほかの多くのきのこが休む冬にも発生する「冬のきのこ」。

発生に適した温度は、おおむね8〜12度前後と低めで、秋から冬の涼しい時期がよく育ちます。光合成をする植物ではなく、木材を分解して育つ菌類なので、直射日光は不要。むしろ、市販のような白く長いエノキに育てたいなら、暗くして育てるのがポイントです。

乾燥は大敵なので、湿り気を保つことも大切。自分で育てると、栽培方法によって、白く長いエノキにも、かさの開いた野趣あるエノキにもなる、その変化も楽しめる、奥深いきのこです。ほかの多くのきのこが休む冬のあいだに、室内で束になって伸びていく姿を観察できるのも、エノキタケ栽培ならではの魅力。鍋物が恋しくなる寒い季節に、自分で育てた新鮮なエノキを味わえます。

分類
きのこ / 菌床栽培
原産地
日本、北半球の温帯
別名
えのき、えのきたけ、エノキ、榎茸
適期
植え付けは11月
価格目安
鉢植えは1000〜2500円

💡豆知識

スーパーで売られている、白くて細長いエノキタケと、野生のエノキタケが、同じきのこだと知ると驚く人も多いでしょう。市販の白いエノキは、菌床を、光を遮った暗い場所で、二酸化炭素が高めにこもる容器に入れて育てることで、かさの生長が抑えられ、柄だけがもやしのように長く白く伸びたもの。

これは、品種改良と栽培技術によって生まれた姿です。一方、自然のエノキタケは、冬枯れの木の幹などに、茶色いつやのあるかさをつけて群生し、雪の下からでも顔を出すほど寒さに強いことで知られます。その名は、エノキ(榎)の木によく生えたことに由来するといわれますが、実際にはさまざまな広葉樹に発生します。

低温に強い性質を生かして、冬のあいだに収穫できる貴重なきのことして、古くから親しまれてきました。家庭で育てると、光や容器の工夫しだいで、市販のような白く長い姿にも、野生に近いかさの開いた姿にも仕立てられ、その違いを観察するのも、栽培ならではのおもしろさです。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
11月は植え付け
収穫
1月は収穫
12月は収穫
病害虫注意
7月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
11月は植え付け
収穫
1月は収穫
12月は収穫
病害虫注意
7月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
11月は植え付け
収穫
1月は収穫
12月は収穫
病害虫注意
8月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ とても早い
手軽さ(コスト) やや高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
5〜20cm
株張り
3〜12cm
実のサイズ
細い柄が束生、かさの直径1〜4cmほど

環境条件

日照
日陰
耐寒温度
-5℃
耐暑温度
20℃
土壌pH
5.0〜6.5
水やり
菌床が乾かないよう、霧吹きで湿り気を保つ。高めの湿度を保つ。
肥料
不要(菌床の養分で育つ)

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    菌床栽培キットを用意する(冬向き)

    約1日

    エノキタケは、家庭では菌床栽培キットを使うのが手軽です。市販のキットには、すでにエノキタケの菌が回った菌床ブロックや容器が入っており、届いたらすぐに栽培を始められます。エノキタケは寒さに強い「冬のきのこ」で、発生に適した温度はおおむね8〜12度前後と低め。

    そのため、秋から冬の涼しい時期に育てるのがいちばん適しています。暖かい時期は発生しにくく、雑菌も出やすいので、栽培を始めるなら涼しくなってからがおすすめです。準備するものは、菌床キットのほか、霧吹き(保湿用)と、置き場所の工夫くらい。置き場所は、直射日光の当たらない、涼しく暗めの場所を選びます。

    玄関や廊下、北側の部屋、暖房の効いていない冷暗所などが向きます。きのこは木材を分解して育つ菌類なので、日光は不要。とくにエノキは、暗くして育てることで、市販のような白く長い姿になります。キットの説明書をよく読み、開け方や水やりの方法を確認してから始めましょう。

    💡菌床キットを涼しい時期に用意。8〜12度の涼しく暗めの場所が適地。霧吹きを準備する。

  2. 2

    菌床を開けて発生の準備をする

    約7日

    キットの説明書に従って、菌床ブロックや容器を、指定の方法で開けます。エノキタケのキットでは、容器の口を開けたり、菌床の表面を覆うフィルムを外したりして、そこからきのこを発生させます。菌床の表面が乾いている場合は、霧吹きで軽く湿らせて、発生の準備を整えます。

    強く水を流したり、水をためたりするのは避け、軽く湿らせる程度にします。開封後は、菌床を直射日光の当たらない、涼しく暗めの場所に置きます。エノキタケは低温を好むので、おおむね8〜12度前後を保てる場所が理想。気温が高いと、柄が伸びずにかさばかり開いて、市販とは違う姿になったり、発生そのものがうまくいかなかったりします。

    乾燥を防ぐため、付属の保湿袋やカバーがあればかぶせ、なければ容器の口を軽くおおうなどして、高めの湿度を保ちます。低温・暗所・高湿度の三つを整えると、数日から1〜2週間ほどで、菌床の表面に、細いきのこの芽が束になって現れ始めます。

    💡指定どおり開けて軽く霧吹き。8〜12度の暗く涼しい場所で、高めの湿度を保つ。

  3. 3

    白く長く育てる(暗所と容器の工夫)

    約10日

    エノキタケを、市販のような白く細長い姿に育てたいなら、「光を当てず、二酸化炭素がこもる環境」で育てるのがポイントです。芽が出たら、暗い場所に置き続けることで、かさの生長が抑えられ、柄だけが白く長く伸びていきます。さらに、紙や容器で芽の周りを筒状に囲うと、二酸化炭素がこもって、より柄が立ち上がりやすくなります。

    市販のエノキが、容器に紙の筒を巻いた状態で育てられているのは、このためです。逆に、明るい場所で育てると、かさが大きく開き、色づいて、野生に近い姿になります。どちらもおいしく食べられるので、好みや観察したい姿に合わせて選びましょう。この間も、乾燥は大敵。

    霧吹きで、菌床や周囲の湿り気をこまめに保ちます。ただし、束のあいだに水がたまって蒸れると傷むので、与えすぎには注意し、適度な湿度と、わずかな空気の入れ替えを心がけます。低温を保つことも、しまった姿に育てるコツです。

    💡白く長くするなら暗所+筒で囲い二酸化炭素をためる。明るくするとかさが開く。乾かさない。

  4. 4

    収穫する

    約14日

    エノキタケは、柄が十分に伸びて、束がしっかり立ち上がったころが収穫の適期です。市販のように白く長く育てた場合は、柄が10〜15cmほどに伸び、かさがまだ小さく丸いうちに収穫すると、食感のよい、なじみのあるエノキになります。明るく育てて、かさを開かせた場合は、かさがほどよく開いたころが食べごろです。

    収穫は、束の根元を、菌床の少し上のところで、清潔なはさみで切り取るか、株ごと根元を持って、菌床を傷めないようにやさしく抜き取ります。根元の、おがくずや菌床が付いた硬い部分(石づき)は、調理の際に切り落とします。収穫したエノキは、鍋物や汁物、炒め物、和え物など、幅広く使えます。

    一度収穫したあとも、菌床にまだ力が残っていれば、表面を清潔にして再び湿らせ、涼しく暗い場所で休ませると、二番、三番ときのこが繰り返し発生することがあります。回を追うごとに細く小さくなりますが、最後まで楽しめます。

    💡白く長いタイプは柄10〜15cmで収穫。根元を切り取るか抜き取る。菌床を休ませ繰り返し収穫。

  5. 5

    雑菌・乾燥を防いで楽しむ

    約30日

    エノキタケを上手に育てるには、低温を保ち、雑菌と乾燥を防ぐことが大切です。エノキは低温を好むので、暖かい場所では発生が悪く、雑菌も出やすくなります。秋から冬の涼しい時期に、涼しい場所で育てるのが、いちばんの成功のコツです。栽培に使う手や道具は清潔に保ち、菌床に、緑色や黒、ピンクなどの、エノキ以外の目立つカビが出てきたら、雑菌に侵されたサイン。

    早めにその部分を取り除くか、ひどい場合は処分して、広がりを防ぎます。雑菌は、密閉して過湿で蒸れた状態で繁殖しやすいので、高めの湿度を保ちつつ、ときどき空気を入れ替えて、適度な風通しを確保します。反対に、乾燥しすぎると発生や生長が止まるので、乾湿のバランスが大切です。

    エノキは、ほかのきのこが休む冬に育てられる、貴重なきのこ。寒い季節の室内で、白く長いエノキが束になって伸びていく姿は、観察していても楽しいものです。自分で育てた新鮮なエノキを、鍋物などでぜひ味わってみましょう。

    💡低温・清潔・適湿・風通しが基本。緑や黒の雑菌は早めに除く。冬の涼しい時期がいちばん育てやすい。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • エノキタケの菌床栽培キット

    菌が回った菌床ブロック・容器。届いてすぐ栽培できる。

    1,000〜2,500円
  • 霧吹き

    菌床の保湿に必須。

    200〜800円
  • 紙の筒・カバー (任意)

    白く長く育てるため芽の周りを囲う。

    0〜500円
  • 受け皿・トレー (任意)

    菌床を置き、水受けにする。

    100〜800円
初期費用の目安(必須のみ) 1,200〜3,300円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

病気

うどんこ病

まれ

症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。

予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。

対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。

害虫

ナメクジ

まれ

症状: 不規則な食害痕とテカった粘液の跡。

予防: 鉢の下など隠れ家を減らし乾燥を保つ。

対処: 夜間に捕殺、誘殺剤を設置。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 高温で発生しない・姿が崩れる

きのこが出ない、または柄が伸びずかさばかり開きます。

原因: エノキの好む低温(8〜12度前後)より暖かい。

対策: 秋〜冬の涼しい時期に、涼しく暗めの場所で育てます。

⚠ 乾燥で生長が止まる

芽や柄が乾いて、生長が止まります。

原因: 菌床の乾燥、湿度不足。

対策: 霧吹きで菌床と周囲の湿り気を保ち、高めの湿度を維持します。

⚠ 雑菌(青カビなど)・蒸れ

緑・黒などのカビが出る、束が傷みます。

原因: 密閉・過湿で蒸れた、不衛生な環境。

対策: 湿度を保ちつつ風を通し、汚染部を早めに除いて清潔に保ちます。

FAQ

よくある質問

菌床栽培キットを使えば育てられます。低温(8〜12度前後)を好む冬のきのこなので、秋から冬の涼しい時期に、涼しく暗めの場所に置き、霧吹きで湿り気を保つのが基本。市販のような白く長い姿にするには暗所で育てるのがコツです。低温と湿度の管理を守れば、初めてでも束になったエノキを収穫できます。

市販のエノキの白く細長い姿は、光を当てず、二酸化炭素がこもる容器で育てることで、かさの生長を抑え、柄だけを長く白く伸ばしたものです。暗くして筒で囲うと、より長く立ち上がります。逆に明るく育てると、かさが開いて色づき、野生に近い姿になります。どちらも食べられます。

エノキタケは寒さに強い冬のきのこで、おおむね8〜12度前後の低温でよく発生します。秋から冬の涼しい時期がいちばん育てやすく、暖房の効かない玄関や廊下、北側の部屋などが向きます。暖かい時期は発生しにくく雑菌も出やすいので、涼しくなってから育てましょう。

エノキタケは木材を分解して育つ菌類で、光合成をしないので直射日光は不要です。むしろ、市販のような白く長いエノキに育てたいなら、暗くして育てるのがポイント。直射と乾燥は大敵なので、暗めで涼しく、適度に湿った場所が栽培に向きます。

肥料は不要で、大切なのは乾かさないことです。霧吹きで菌床や周囲の湿り気をこまめに保ち、高めの湿度を維持します。ただし、束のあいだに水がたまって蒸れると傷むので、与えすぎは禁物。高い湿度を保ちつつ、ときどき空気を入れ替えるのがコツです。

白く長く育てた場合は、柄が10〜15cmほどに伸び、かさがまだ小さく丸いうちが、なじみのあるエノキの食べごろです。明るく育てた場合は、かさがほどよく開いたころに収穫します。束の根元を清潔なはさみで切るか、株ごと抜き取り、石づきは調理時に切り落とします。菌床を休ませると繰り返し発生します。

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