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植物図鑑
🫐
銀緑色の葉と実をつけたオリーブの枝
🫐 果樹

オリーブ

Olea europaea Olive

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は1500〜5000円

オリーブは、銀緑色の細い葉が美しく、おしゃれなシンボルツリーとして絶大な人気を誇る常緑果樹です。地中海地方を象徴する木で、その洗練された樹姿...

かんたんに言うと

オリーブは銀緑の葉が美しい常緑果樹でシンボルツリーに人気。多くの品種は1本では実りにくく、実の収穫には別品種2本以上が必要。日当たりと水はけを好み乾燥に強い木です。

Profile

基本情報

オリーブは、銀緑色の細い葉が美しく、おしゃれなシンボルツリーとして絶大な人気を誇る常緑果樹です。地中海地方を象徴する木で、その洗練された樹姿から、庭やベランダのインテリアグリーンとしても広く親しまれています。秋には実をつけ、塩漬け(ピクルス)やオリーブオイルとして利用できるのも魅力。

常緑で一年中緑を楽しめ、乾燥や暑さに強く、比較的丈夫で育てやすいことから、果樹としてもガーデニング素材としても人気が高まっています。樹高は鉢植えなら抑えられ、地植えでは数mに育ちます。栽培で最も重要なのが、多くの品種が1本では実がつきにくい「自家不和合性」をもつこと。

実を収穫したいなら、開花期の合う別の品種を2本以上一緒に育てて受粉させるのが基本です。代表品種に「ネバディロブランコ」「ミッション」「ルッカ」などがあり、相性のよい組み合わせで植えます。日当たりと水はけのよい場所を好み、過湿を嫌います。寒さには比較的強いものの、強い寒風や凍結は苦手なので、寒冷地では配慮が必要。

初夏に咲く白い小花も清楚で、平和と豊穣の象徴とされてきた歴史をもつ、観賞性と実用性をあわせもつ魅力的な木です。観賞性と実用性をあわせもち、平和の象徴とされてきた歴史も魅力の、長く付き合える木です。

分類
果樹 / 常緑果樹
原産地
地中海沿岸、中近東、北アフリカ
別名
橄欖、オリーヴ、オリーブの木
適期
植え付けは4月
価格目安
苗は1500〜5000円

💡豆知識

オリーブは人類の文明とともに歩んできた木で、地中海世界では数千年前から栽培され、その油(オリーブオイル)は食用だけでなく、灯火やランプの燃料、化粧品、宗教儀式の聖油としても使われてきました。旧約聖書の「ノアの方舟」では、洪水が引いたことを知らせる鳩がオリーブの枝をくわえて戻ったとされ、ここからオリーブは「平和」の象徴となりました。

国際連合の旗にもオリーブの枝が描かれています。ギリシャ神話では、女神アテナがオリーブの木を人々に贈り、その恵みによってアテネの守護神に選ばれたと語られます。古代オリンピックの勝者にも、月桂樹とともにオリーブの冠が贈られました。日本では、香川県の小豆島が栽培の先進地として有名で、明治時代に始まったオリーブ栽培が今も盛んです。寿命が非常に長い木としても知られ、地中海地方には樹齢千年を超えるとされる古木も残っています。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
開花
5月は開花
収穫
10月は収穫
剪定
3月は剪定
追肥
3月は追肥
病害虫注意
6月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
開花
6月は開花
収穫
11月は収穫
剪定
3月は剪定
追肥
3月は追肥
病害虫注意
6月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
開花
5月は開花
収穫
10月は収穫
剪定
3月は剪定
追肥
3月は追肥
病害虫注意
6月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ 普通
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
100〜500cm
株張り
80〜400cm
花のサイズ
黄白色の小花
実のサイズ
直径1〜3cm

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-8℃
耐暑温度
40℃
土壌pH
6.0〜7.5
水やり
地植えは根づけば乾燥時に。鉢植えは表面が乾いたらたっぷり。過湿を避ける。
肥料
果樹用肥料・有機質肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    受粉樹を考えて苗木を植える

    約7日

    オリーブ栽培で最も大切なのが品種選びです。オリーブの多くの品種は、自分の花粉では実がつきにくい「自家不和合性」をもつため、1本だけ植えても実がほとんどなりません。実を収穫したいなら、開花期が合い、相性のよい別の品種を2本以上一緒に育てて受粉させるのが基本です。

    代表品種の「ネバディロブランコ」は受粉樹として優秀で、「ミッション」「ルッカ」などと組み合わせます。葉や樹姿を楽しむシンボルツリーとして育てるだけなら1本でもかまいません。植え付け適期は、暖かくなる春(4〜5月)。日当たりと水はけのよい場所を選びます。

    オリーブは過湿を嫌うので、水はけは特に重要です。庭植えは植え穴に堆肥を混ぜて高めに植え、鉢植えは8〜10号以上の鉢に水はけのよい培養土で植え、支柱で固定します。

    💡実の収穫には相性のよい別品種を2本以上。水はけのよい場所に植えます。

  2. 2

    日当たり・水やり・肥料

    約120日

    オリーブは日光が大好きで、日当たりのよい場所でよく育ちます。日照不足だと枝が間延びし、実つきも悪くなるので、できるだけ日の当たる場所で育てましょう。水やりは、乾燥に強い木なので、庭植えで根づいた木は乾燥が続くとき以外ほとんど不要です。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり与えますが、過湿は根を傷めるので、水はけを確保し受け皿に水をためないようにします。

    乾かし気味の管理が向いています。肥料は、春の芽出し前(3月)を中心に、初夏や秋にも、果樹用肥料や有機質肥料を施します。鉢植えは肥料が流れやすいので切らさないようにします。オリーブはアルカリ性〜中性の土を好むので、酸性に傾いた土には苦土石灰を施すと育ちがよくなります。常緑で銀緑色の葉が美しく、一年中観賞を楽しめます。

    💡日当たりを確保し、乾かし気味に管理。酸性土は石灰で中和すると育ちます。

  3. 3

    開花・受粉と剪定

    約60日

    初夏(5〜6月)、枝に黄白色の小さな花を房状に咲かせます。この時期に、植えてある別品種との間で、風によって受粉が行われます(オリーブは風媒花)。受粉樹があっても、梅雨の雨が続くと花粉が流れて受粉しにくくなるため、開花期に雨が多いと実つきが悪くなることがあります。

    剪定は、新芽が動く前の春(3月ごろ)に行います。オリーブは枝が混み合いやすく、内部が暗くなると実つきや風通しが悪くなるので、混んだ枝、内向きの枝、枯れ枝を整理して、樹の内部まで光と風が通る「透かし剪定」をします。オリーブの花芽は前年に伸びた枝につくので、すべてを強く切らないよう注意します。樹形を自然樹形や好みの形に整え、風通しをよくすることが、実つきの向上と病害虫の予防につながります。

    💡初夏に開花。春に透かし剪定で風通しを確保。前年枝に花芽がつきます。

  4. 4

    実の肥大と管理

    約90日

    受粉に成功すると、初夏から夏にかけて実が育ち始めます。実つきが非常に多い場合は、一つひとつを充実させ、木の負担を減らすために、小さい実を間引く「摘果」をすることもありますが、家庭では収穫量を楽しむため、無理に行わなくてもかまいません。実が育つ夏は、特に鉢植えは水切れに注意し、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。

    ただし過湿は禁物なので、メリハリのある水やりを心がけます。オリーブは「隔年結果」といって、実がたくさんなった翌年は実つきが少なくなる傾向があるので、毎年の収穫を安定させたい場合は、適度な剪定と施肥で木の勢いを保ちます。実は最初は緑色で、秋に向けて緑から黄緑、赤紫、そして黒へと熟して色が変わっていきます。どの段階で収穫するかで、用途や風味が変わります。

    💡夏は水切れ注意。隔年結果しやすいので剪定と施肥で勢いを保ちます。

  5. 5

    収穫と利用

    約30日

    オリーブの実は、秋(10〜11月ごろ)に収穫期を迎えます。収穫のタイミングは用途によって変わります。緑色のうちに収穫した「グリーンオリーブ」は、フレッシュでさわやかな風味、完熟して黒くなった「ブラックオリーブ」は、まろやかでコクのある風味になります。

    家庭では、塩漬け(ピクルス)にして食べるのが定番です。ただし、生のオリーブの実は強い渋み(苦味成分のオレウロペイン)があってそのままでは食べられないので、必ず渋抜きが必要です。苛性ソーダ法や塩漬け法、水替えによる渋抜きなど、いくつかの方法があります。

    たくさん収穫できれば、自家製オリーブオイルを搾ることもできます。収穫は実を傷つけないよう手で摘み取ります。実の収穫だけでなく、銀緑色の枝葉はリースやスワッグの素材にもなり、一年を通じてさまざまに楽しめる木です。

    💡秋に収穫。生食不可で渋抜きが必須。緑なら緑オリーブ、黒なら完熟です。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • オリーブの苗木(2品種)

    実の収穫には相性のよい2品種を。

    1,500〜5,000円
  • 果樹用培養土

    水はけのよい土。中性〜弱アルカリを好む。

    500〜1,200円
  • 鉢(8〜10号以上) (任意)

    鉢植えで育てる場合。

    1,000〜3,000円
  • 果樹用肥料・有機質肥料 (任意)

    春を中心に施す。

    600〜1,500円
初期費用の目安(必須のみ) 2,000〜6,200円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

コナジラミ

時々

症状: 株を揺らすと白い虫が舞う、すす病を誘発。

予防: 黄色粘着トラップを設置、風通しを確保。

対処: 薬剤を散布、天敵を活用。

Harvest

収穫の情報

収穫までの年数
苗木から3〜5年で本格収穫
受粉樹
必要(開花期の合う別品種(ネバディロブランコ等)・風による受粉(風媒))
収穫量の目安
成木1本で数百〜数千個(樹勢による)
樹の寿命
常緑高木(数十年〜数百年)
剪定時期
春(芽出し前・3月ごろ)の透かし剪定

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 受粉樹がなく実がつかない

花は咲くのに実がなりません。

原因: 自家不和合性で受粉樹(別品種)がない、開花期の長雨。

対策: 相性のよい別品種を2本以上一緒に育てます。風媒なので開花期の雨は避けられると有利です。

⚠ 過湿で根が傷む

葉が黄ばみ落ち、元気がなくなります。

原因: 水のやりすぎ、水はけの悪さ。

対策: 乾燥に強い木なので水やりは控えめに。水はけのよい用土に植えます。

⚠ 冬の寒風・凍結で傷む

冬に葉や枝が傷みます。

原因: 強い寒風や凍結への弱さ。

対策: 鉢は軒下・室内へ。庭植えは寒風を避ける場所に植え、幼木は防寒します。

FAQ

よくある質問

多くの品種は「自家不和合性」で1本では実りにくいです。実を収穫したいなら、開花期の合う別品種を2本以上一緒に育てて受粉させます。葉や樹姿を楽しむシンボルツリーとしてなら1本でもかまいません。

受粉樹として優秀な「ネバディロブランコ」と、「ミッション」「ルッカ」などを組み合わせるのが定番です。購入時に園芸店で相性のよい組み合わせを確認すると確実です。

育てられます。8〜10号以上の鉢で大きさを抑えて育てられ、おしゃれなシンボルツリーとしてベランダでも人気です。受粉樹が必要な点は同じなので、実が欲しいなら2鉢以上を近くに置きます。

できません。生のオリーブの実は強い渋み成分を含み、そのままでは食べられないので、必ず渋抜きが必要です。塩漬けや水替えなどで渋を抜いてから食べます。緑のうちは緑オリーブ、黒く熟すとブラックオリーブになります。

比較的寒さに強いですが、強い寒風や凍結は苦手です。暖地では戸外で問題なく育ちます。寒冷地では、鉢植えにして冬は軒下や室内へ移すか、庭植えは寒風の当たらない場所に植え、幼木は防寒します。

オリーブは「隔年結果」といって、実がたくさんなった翌年は実つきが少なくなる傾向があります。適度な剪定と施肥で木の勢いを保つと、収穫が安定しやすくなります。受粉樹の有無や開花期の天候も実つきに影響します。

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