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植物図鑑
🌸
星形に開いた青紫色のキキョウ(桔梗)の花
🌸 花

キキョウ

Platycodon grandiflorus Balloon Flower

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は300〜800円

キキョウ(桔梗)は、夏から秋にかけて、星形に大きく開いた、青紫の上品な花を咲かせる、日本の秋を代表する多年草です。つぼみが、ふくらんだ風船(...

かんたんに言うと

キキョウ(桔梗)は、夏〜秋に星形の青紫の花を咲かせる秋の七草のひとつ。風船のようにふくらむつぼみが愛らしい和の宿根草です。日当たり・水はけのよい場所を好み、いったん根づけば毎年咲きます。寒さに強く、冬は地上部が枯れて根で冬越し。切り花や茶花にも人気です。

Profile

基本情報

キキョウ(桔梗)は、夏から秋にかけて、星形に大きく開いた、青紫の上品な花を咲かせる、日本の秋を代表する多年草です。つぼみが、ふくらんだ風船(バルーン)のように、ぷっくりとふくらんでから、ぱっと五角形の星形に開く姿が愛らしく、英語でも「バルーンフラワー(風船花)」と呼ばれます。

秋の七草のひとつに数えられ、万葉集に詠まれた「朝顔(あさがお)」は、このキキョウのことだとする説が有力なほど、古くから日本人に親しまれてきた、和の花の代表です。花色は、もっとも一般的な青紫のほか、白、ピンク、また花びらが幾重にもなる八重咲きや、背の低い矮性(わいせい)種など、園芸品種も豊富。

すらりと伸びた茎の先に、清楚な星形の花を咲かせる姿は、和風の庭はもちろん、切り花や、茶花(茶席の花)としても、とても人気があります。キキョウは、キキョウ科の宿根草で、地下に、太い根(ごぼうのような直根)をもち、これが、生薬「桔梗根(ききょうこん)」として、せきやのどの薬に使われてきた、薬用植物でもあります。

日当たりと水はけのよい場所を好み、いったん根づくと、毎年、春に芽を出して花を咲かせる、丈夫で長く楽しめる花。寒さにも強く、冬は地上部が枯れて、根の状態で冬を越します。野生のキキョウは、環境の変化で数を減らし、絶滅が心配されていますが、園芸用の苗は広く流通し、家庭でも手軽に育てられます。凛とした青紫が美しい、日本の伝統の花です。

分類
花 / 多年草・宿根草
原産地
日本、中国、朝鮮半島、東アジア
別名
キキョウ、桔梗、バルーンフラワー、プラチコドン
適期
植え付けは4月
価格目安
苗は300〜800円

💡豆知識

キキョウは「秋の七草」のひとつとして知られますが、実際には夏(6〜7月)から咲き始めます。古い暦(旧暦)では、その時期がすでに秋にあたるため、秋の花とされてきました。万葉集で山上憶良が詠んだ秋の七草の歌に出てくる「朝貌(あさがお)の花」は、現在のアサガオではなく、このキキョウを指すとする説が有力です。

家紋の「桔梗紋」も有名で、戦国武将の明智光秀や、土岐氏が用いたことで知られ、凛とした星形が、武家に好まれました。キキョウのつぼみは、開く前に、花びらどうしがぴったりとくっついて、紙風船のように、空気でふくらんだ状態になります。これが英名「バルーンフラワー」の由来。

指で軽く押すと、ぷっと音がしそうなほどで、子どもにも人気があります。また、キキョウの太い根は、「桔梗根」という生薬として、古くから、せき止めや、のどの炎症を抑える漢方薬に配合されてきました。韓国では、この根を「トラジ」と呼び、ナムルや和え物にして食べる、なじみ深い山菜でもあります。観賞だけでなく、薬用・食用としても役立てられてきた、暮らしに身近な花です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
開花
7月は開花
剪定
10月は剪定
追肥
5月は追肥
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
開花
7月は開花
剪定
10月は剪定
追肥
5月は追肥
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
開花
7月は開花
剪定
10月は剪定
追肥
5月は追肥

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ ゆっくり
手軽さ(コスト) 手軽

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
20〜100cm
株張り
20〜40cm
花のサイズ
星形の花(径4〜7cm・青紫/白/桃)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-15℃
耐暑温度
35℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
土の表面が乾いたらたっぷり。過湿は根腐れのもと。
肥料
緩効性化成肥料・液体肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    植え付け・種まき(日当たりと水はけ)

    約14日

    キキョウは、種からも、苗からも育てられます。手軽なのは、春(4〜5月)か秋(9〜10月)に、園芸店で出回る苗を植え付ける方法。種からまく場合は、春(4〜5月)か秋(9月ごろ)にまきます。キキョウの種は、発芽に光を必要とする「好光性種子」なので、土を厚くかけず、ごく薄く覆土します。

    植え付け場所は、日当たりと水はけのよい場所が第一。キキョウは、日光をたっぷり浴びると、茎ががっしりして、花つきがよくなります。半日陰でも育ちますが、日照が不足すると、茎がひょろひょろと間のびして、倒れやすくなります。土は、水はけのよい、肥えた土が向きます。

    過湿を嫌うので、水はけの悪い場所には、腐葉土や軽石を混ぜて、水はけを改善しておきます。キキョウは、地下に、ごぼうのような太い直根を伸ばす「直根性」で、根が傷つくのを嫌い、移植を苦手とします。そのため、地植えにするときは、最初から、長く植えておける場所を選び、鉢植えなら、深さのある鉢を用意します。

    植え付けるときは、根鉢をくずさず、そっと植えるのがコツ。いったん根づけば、毎年、春に芽を出して、花を咲かせる、長く付き合える花です。

    💡春か秋に植え付け。日当たり・水はけのよい場所へ。直根性で移植を嫌うので、根鉢をくずさず深さのある場所に植える。

  2. 2

    水やりと肥料

    約60日

    キキョウの水やりは、土の表面が乾いたら、たっぷりと与えるのが基本です。生育期の春から夏は、よく水を吸うので、乾いたら、株元にたっぷり与えます。とくに、鉢植えは乾きやすいので、夏は、朝に水切れしていないか、こまめにチェックします。ただし、キキョウは、過湿が苦手で、いつもじめじめした状態が続くと、太い根が腐ってしまう「根腐れ」を起こしやすいので、水のやりすぎや、受け皿にたまった水の放置には注意します。

    「乾いたらたっぷり、乾くまで待つ」の、めりはりが大切です。肥料は、それほど多くは必要ありません。春の芽出しのころに、緩効性の化成肥料を、元肥として施し、生育期に、ときどき、薄めの液体肥料を与える程度で十分。肥料が多すぎると、葉ばかりが茂って、茎が間のびし、倒れやすくなったり、花つきが悪くなったりするので、控えめにします。

    花が咲き終わったあとに、お礼肥として、少量の肥料を与えると、根が充実して、翌年の花つきがよくなります。日光と、水はけと、控えめな肥料。この3つを押さえると、毎年、たくさんの星形の花を、咲かせてくれます。

    💡乾いたらたっぷり、過湿は根腐れのもと。受け皿の水はためない。肥料は控えめ(多肥は間のび・花つき低下)。

  3. 3

    支柱立てと切り戻しで姿よく

    約30日

    キキョウは、品種によっては、草丈が1mほどに高く伸びるので、背の高い品種は、茎が倒れないように、支柱を立てて支えると、姿よくまとまります。とくに、雨や風のあとは、倒れやすいので、早めに支柱を立てておくと安心です。鉢植えの矮性(わいせい)種は、背が低くまとまるので、支柱がいらないことも多く、コンパクトに楽しめます。

    キキョウを、よりきれいに、長く咲かせるテクニックが「切り戻し(ピンチ)」です。苗が若いうち、草丈が15〜20cmほどのときに、茎の先を、軽く摘み取る(摘心する)と、わき芽がふえて、枝数が多くなり、こんもりと、花数の多い株に育ちます。背が高くなりすぎるのを抑える効果もあります。

    また、花が、ひととおり咲き終わったら、茎を、半分ほどの高さで、思い切って切り戻すと、再び、わき芽が伸びて、秋に、もう一度、花を楽しめることがあります。切り戻しのときに、お礼肥を与えると、再生がよくなります。花がら(咲き終わった花)は、こまめに摘み取ると、見た目がよく、種づくりに養分を取られないので、次々と、新しい花が上がってきます。ひと手間で、ぐんと美しく、長く咲く花です。

    💡高性種は支柱で倒伏防止。若いうちに摘心するとわき芽がふえ花数増。花後に切り戻すと再び咲く。花がらはこまめに摘む。

  4. 4

    開花を楽しむ(切り花・茶花にも)

    約90日

    キキョウは、夏(6〜7月)から秋(9月ごろ)にかけて、長い期間、星形の花を咲かせます。つぼみが、風船のようにぷっくりとふくらんでから、ぱっと五角形の星形に開く、その移り変わりが、キキョウならではの楽しみ。一輪の花は、数日でしぼみますが、次々とつぼみが上がってくるので、株全体では、長く花を楽しめます。

    青紫を中心に、白、ピンク、八重咲きなど、品種によって、さまざまな花色・花姿があり、和風の庭はもちろん、洋風の花壇にも、よく似合います。キキョウは、切り花としても、とても人気があります。すらりと伸びた茎に、清楚な星形の花がつく姿は、生け花や、茶席の花(茶花)として、古くから愛されてきました。

    切り花にするときは、朝の涼しい時間に、つぼみが色づいて、ふくらんだものを選んで切ると、つぼみが、花瓶の中で、次々と開いて、長く楽しめます。キキョウの茎を切ると、白い乳液が出ますが、これは正常なもの。切り口を、さっと水で洗うか、湯あげ(切り口を熱湯につける)をすると、水あげがよくなります。凛とした青紫は、夏の暑さのなかに、涼やかさを運んでくれる、和の名花です。

    💡つぼみが風船状にふくらみ星形に開く。次々咲くので長く楽しめる。切り花は朝、色づいたつぼみを切ると次々開く。

  5. 5

    花後の管理と冬越し(毎年咲く宿根草)

    約120日

    キキョウは、丈夫な宿根草(多年草)なので、花が終わったあとの管理をすれば、毎年、くり返し花を楽しめます。秋に、花がすべて咲き終わったら、茎を、株元から10cmほど残して切り戻します。その後、お礼肥として、少量の肥料を与えておくと、地下の太い根に養分がたまり、翌年の花つきがよくなります。

    やがて、晩秋から冬にかけて、地上部の茎葉が、自然に黄色く枯れていきます。これは休眠のサインなので、枯れた地上部は、根元から刈り取って片づけます。キキョウは、寒さに非常に強く、地上部が枯れても、地下の根は生きていて、土の中で冬を越します。地植えなら、防寒は特に不要。

    鉢植えも、屋外の、軒下などで、問題なく冬を越せます。冬のあいだは、休眠しているので、水やりは、土がからからに乾かない程度に、ごく控えめにします。やりすぎると、休眠中の根が腐るので注意します。春になって、暖かくなると、また、地面から、新しい芽が伸びてきて、その年も、花を咲かせます。

    直根性で移植を嫌うので、植え替えや株分けは、なるべく避け、地植えなら、数年は、植えっぱなしで楽しめます。鉢植えで、根が詰まってきたら、休眠期に、根を傷めないよう、そっと植え替えます。手間が少なく、毎年、和の風情を届けてくれる、頼もしい花です。

    💡秋に花後切り戻し+お礼肥で翌年の花つき向上。冬は地上部が枯れて根で冬越し(防寒不要)。休眠中は水控えめ。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • キキョウの苗

    春・秋に出回る。矮性種は鉢向き。

    300〜800円
  • キキョウの種 (任意)

    好光性種子。薄くまく。

    200〜400円
  • 草花用培養土 (任意)

    水はけのよい土。

    400〜1,000円
  • 支柱 (任意)

    高性種の倒伏防止に。

    200〜600円
初期費用の目安(必須のみ) 300〜800円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

病気

灰色かび病

時々

症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。

予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。

対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。

Flower meaning

花言葉

  • 「永遠の愛・変わらぬ愛」

    帰りを待ち続けた女性の伝説など、一途な思いにちなむとされます。

  • 「誠実・気品」

    凛とした青紫の星形の花姿が、誠実さや気品を表すとされます。

  • 「清楚・従順」

    清らかな白い花の印象にちなむとされています。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 過湿で根腐れする

株が弱り、下葉から枯れ上がります。

原因: 水のやりすぎ、水はけの悪い土、受け皿の水の放置。

対策: 乾いたらたっぷり・乾くまで待つのめりはりで。水はけのよい土に植えます。

⚠ 茎が間のびして倒れる

茎がひょろ長く伸び、倒れやすくなります。

原因: 日照不足、肥料の与えすぎ。

対策: 日当たりのよい場所で育て、肥料は控えめに。若いうちに摘心し支柱で支えます。

⚠ 移植・植え替えで弱る

植え替え後、生育が悪くなります。

原因: 直根性で移植を嫌うのに、根を傷つけた。

対策: 根鉢をくずさずそっと植え、植え替えは休眠期に最小限にします。

FAQ

よくある質問

はい、キキョウは丈夫な宿根草で、いったん根づけば毎年咲き、寒さにも強く、手がかかりません。日当たりと水はけのよい場所に植えるのが、いちばんのコツ。過湿による根腐れにだけ注意すれば、初心者でも育てやすい和の花です。直根性で移植を嫌うので、植え場所は最初によく選びましょう。

キキョウは実際には夏(6〜7月)から咲き始めますが、古い暦(旧暦)ではその時期がすでに秋にあたるため、秋の七草に数えられてきました。夏から秋まで長く咲くので、夏の花としても秋の花としても楽しめます。涼やかな青紫が、夏の暑さのなかで映えます。

咲き終わった花がらをこまめに摘み取ると、種づくりに養分を取られず、次々と新しい花が上がってきます。また、ひととおり咲き終わったら、茎を半分ほどに切り戻すと、再びわき芽が伸びて、秋にもう一度花を楽しめることがあります。切り戻し時にお礼肥を与えると再生がよくなります。

草丈が1m近くなる高性種は、雨や風で倒れやすいので、早めに支柱を立てて支えます。また、日照不足や肥料のやりすぎでも、茎が間のびして倒れやすくなります。日当たりのよい場所で、肥料は控えめにし、若いうちに摘心して、わき芽をふやすと、こんもりと倒れにくい株に育ちます。

キキョウの茎や根を切ると、白い乳液が出ますが、これは正常なものです。切り花にするときは、切り口を水でさっと洗うか、湯あげ(切り口を熱湯に数秒つける)をすると、水あげがよくなり、花が長もちします。なお、根は生薬「桔梗根」に使われますが、生のままの多量摂取は避けます。

キキョウは寒さに強く、冬は地上部が枯れて、地下の根で冬を越します。地植えなら防寒は不要、鉢も屋外で越せます。休眠中の水やりは控えめに。直根性で移植を嫌うので、植え替えや株分けはなるべく避け、必要なら休眠期に根を傷めないようそっと行います。地植えは数年植えっぱなしで楽しめます。

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