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植物図鑑
🫚
亀の甲羅のようにひび割れた塊根からつるを伸ばす亀甲竜
🫚 塊根植物

亀甲竜

Dioscorea elephantipes Elephant's foot

普通 難易度3(5段階中): 普通 💰 鉢植えは1500〜20000円

亀甲竜(きっこうりゅう)は、地上にあらわれた塊根の表面が、まるで亀の甲羅やゾウの足のように、ごつごつとひび割れる、たいへん個性的な姿で人気の...

かんたんに言うと

亀甲竜は塊根が亀の甲羅のようにひび割れる個性的な冬型の塊根植物。秋〜春に生長しハート形の葉のつるを伸ばし、暑い夏は葉を枯らして休眠します。夏は断水して涼しい日陰へ、生育期はよく日に当て乾いたら水やり。生長はゆっくり。

Profile

基本情報

亀甲竜(きっこうりゅう)は、地上にあらわれた塊根の表面が、まるで亀の甲羅やゾウの足のように、ごつごつとひび割れる、たいへん個性的な姿で人気の塊根植物です。年月をかけて大きくなった塊根に刻まれる、亀甲(きっこう)状の模様こそが最大の見どころで、その名のとおり、まさに「竜の甲羅」を思わせる風格があります。

塊根の頂部からは、つる性の茎が伸び、ハート形のかわいらしい葉を茂らせて、ごつごつした塊根とのコントラストも楽しめます。原産は南アフリカで、ヤマノイモの仲間(ヤマノイモ科)。多くの塊根植物が暖かい時期に育つ「夏型」なのに対し、亀甲竜は涼しい秋から春に生長し、暑い夏に休眠する「冬型」であるのが大きな特徴です。

秋に芽吹いてつるを伸ばし、冬じゅう生長して、春に葉を枯らして休眠に入ります。日本の蒸し暑い夏が苦手なので、夏は断水して、風通しのよい涼しい日陰で休ませるのが、栽培のいちばんのポイント。生育期の秋から春は、日によく当てて、土が乾いたら水を与えます。

塊根は生長がとてもゆっくりで、亀甲模様が刻まれた立派な株は、長い年月をかけて育った貴重なもの。じっくりと、唯一無二の甲羅模様を育てていく楽しみのある、奥深い塊根植物です。

分類
塊根植物 / 冬型(秋〜春生育)
原産地
南アフリカ
別名
キッコウリュウ、亀甲竜、ディオスコレア・エレファンティペス、エレファントフット
価格目安
鉢植えは1500〜20000円

💡豆知識

亀甲竜の最大の魅力である、塊根表面の亀甲(きっこう)模様は、株が大きくなるにつれて、表面のコルク質がひび割れて生じるもので、年月とともに深く、立派になっていきます。小さな実生株のうちは表面がなめらかで、まだ甲羅模様はありませんが、育てるうちに少しずつ割れ目が入り、その変化を見守るのも楽しみのひとつです。

亀甲竜はヤマノイモ科に属し、食用のヤマイモ(自然薯)やナガイモの仲間にあたりますが、亀甲竜の塊根にはサポニンなどの成分が含まれ、食用にはしません。南アフリカ原産の「冬型」のほか、メキシコ原産で生育期の異なる近縁種も流通しており、産地によって育て方の季節が変わる点が、塊根植物のおもしろさでもあります。

多くの塊根植物が夏に育つなかで、亀甲竜は冬に生き生きと葉を茂らせるので、ほかの植物が休む冬の窓辺に、みずみずしいハート形の葉とつるで彩りを添えてくれる、貴重な存在です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
9月は植え替え
追肥
10月は追肥
病害虫注意
1月は病害虫注意
7月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
9月は植え替え
追肥
10月は追肥
病害虫注意
1月は病害虫注意
7月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
9月は植え替え
追肥
10月は追肥
病害虫注意
1月は病害虫注意
8月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 普通
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
10〜60cm
株張り
10〜40cm
花のサイズ
小さな黄緑色の花(目立たない)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
3℃
耐暑温度
35℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
生育期(秋〜春)は土が乾いたらたっぷり。夏の休眠期は断水。
肥料
サボテン・多肉植物用肥料・緩効性化成肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    生育サイクルを知る(冬型)

    約7日

    亀甲竜を育てるうえで、まず知っておきたいのが、この植物が「冬型」だということです。多くの塊根植物が暖かい春から秋に育つ「夏型」なのに対し、亀甲竜は、涼しくなる秋に芽吹いてつるを伸ばし、冬のあいだ生き生きと生長し、暖かくなる春に葉を枯らして、暑い夏に休眠します。

    一年の生育リズムが、夏型の植物とは逆になるのです。このサイクルを理解しておくと、「夏に葉が枯れた=枯死ではなく休眠」「秋に芽が出る=生育開始」と、株の状態を正しく判断でき、水やりや置き場所を季節に合わせて切り替えられます。原産地の南アフリカでは、雨の降る涼しい季節に生長し、乾燥した暑い季節を休眠でやり過ごします。

    日本では、秋(9〜10月)に芽が動き始めたら生育期のスタート、春(5〜6月)に葉が黄ばんで枯れてきたら休眠の合図、と覚えておきましょう。

    💡亀甲竜は冬型。秋に芽吹き冬に生長、春に落葉して夏に休眠する。季節で管理を切り替える。

  2. 2

    置き場所を決める

    約7日

    亀甲竜は、生育期と休眠期で置き場所を変えると、より健康に育てられます。生長する秋から春の生育期は、日光が大好きなので、よく日の当たる場所に置きます。屋外なら南向きのベランダや軒下、室内なら明るい南向きの窓辺が向いています。日によく当てると、つるや葉ががっしりと締まり、塊根も充実します。

    日照が不足すると、つるが間延びして弱々しくなります。一方、葉を枯らして休眠に入る、暑い夏は、置き場所が重要です。亀甲竜は日本の蒸し暑さが苦手なので、夏は直射日光を避け、風通しのよい涼しい日陰に移して休ませます。とくに、休眠中の塊根が、強い西日や閉め切った高温の室内で蒸れると、傷んでしまうことがあります。夏は「涼しく・風通しよく・乾かして」が鉄則。生育期はよく日に当て、休眠期は涼しい日陰へ、と季節で置き場所を切り替えるのがコツです。

    💡生育期(秋〜春)はよく日に当て、休眠の夏は風通しのよい涼しい日陰へ。夏の蒸れに注意。

  3. 3

    水やり(夏型と逆のリズム)

    約30日

    亀甲竜の水やりは、冬型ならではの、夏型の植物とは逆のリズムになります。つるを伸ばして生長する秋から春の生育期は、土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。葉を茂らせて活発に育つ時期なので、生育期はしっかり水を吸います。ただし常に湿った状態は禁物で、受け皿の水は必ず捨て、次の水やりまでに土が乾くリズムを保ちます。

    冬でも生育しているので、極端に乾かしすぎないように気をつけます。一方、春に葉が枯れて休眠に入る、暑い夏は、水やりをぐっと減らして断水気味、ほぼ断水にします。休眠中の塊根は水を吸わないため、夏に湿った状態が続くと、高温と過湿が重なって、塊根が腐ってしまいます。

    夏は風通しのよい涼しい日陰で、土を乾かして休ませるのが鉄則。秋になって、塊根の頂部から新しい芽が動き出したら、それが生育再開の合図なので、少しずつ水やりを再開します。

    💡生育期(秋〜春)は乾いたらたっぷり、休眠の夏はほぼ断水。夏の過湿が塊根を腐らせる。

  4. 4

    土と植え替え(塊根を見せる)

    約14日

    亀甲竜は過湿を嫌うので、水はけのよい土が欠かせません。市販の「サボテン・多肉植物用の土」を使うのが、いちばん手軽で確実です。鉢は、必ず底に穴のあいたものを選びます。生長はゆっくりですが、根が回ってきたら、2〜3年に一度を目安に植え替えます。

    植え替えの適期は、休眠が明けて生育が始まる初秋(9〜10月ごろ)。鉢から株を抜き、古い土を落として、傷んだ根を整理します。亀甲竜の楽しみのひとつが、塊根を、土に半分ほど埋める「半埋め」か、表面を見せて植えること。塊根の甲羅模様を地上に見せて育てると、観賞価値が高まります。

    ただし、自生地では塊根が地中にあるため、小さい株のうちは深植え気味にして、太らせてから少しずつ上げる、という育て方もあります。植え替え直後は、根が落ち着くまで数日水やりを控えめにしてから、通常の管理に戻します。なお、塊根にはサポニンを含み、食用にはしません。

    💡水はけのよい土で初秋に植え替え。甲羅模様の塊根を見せて植えると観賞価値が上がる。

  5. 5

    夏越しとふやし方

    約90日

    亀甲竜栽培でいちばんの山場が、休眠期である夏の「夏越し」です。日本の蒸し暑い夏は、冬型の亀甲竜にとって過酷な季節。春に葉が枯れて休眠に入ったら、風通しのよい涼しい日陰に移し、ほぼ断水にして、できるだけ涼しく乾かして越させます。直射日光や、閉め切った高温多湿の場所は避けます。

    休眠中の塊根が、高温と過湿で蒸れて腐るのが、夏越し失敗のおもな原因なので、「涼しく・乾かして・風を通す」を徹底しましょう。秋になって、塊根の頂部から新しい芽(つる)が動き出したら、無事に夏を越えたサイン。少しずつ水やりを再開し、よく日に当てて、新しい生育期を迎えます。

    ふやし方は、種をまく「実生」が基本です。生長はゆっくりですが、なめらかだった塊根に、年々、亀甲模様が刻まれていく変化を、長く楽しめます。あせらず、唯一無二の甲羅を育てる気持ちで、じっくり付き合いましょう。

    💡夏は涼しい日陰でほぼ断水の夏越しが最重要。秋の芽吹きで生育再開。ふやすなら実生。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • 亀甲竜の株(鉢)

    塊根の大きさ・甲羅模様で価格差が大きい。

    1,500〜20,000円
  • サボテン・多肉植物用の土

    水はけのよい土。

    400〜1,000円
  • 鉢(底穴のあるもの) (任意)

    植え替え用。塊根を見せる鉢も人気。

    400〜3,000円
  • つる用の支柱・リング (任意)

    伸びるつるを絡ませて仕立てる。

    300〜1,500円
初期費用の目安(必須のみ) 1,900〜21,000円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

まれ

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 夏の高温・過湿で塊根が腐る

休眠中の塊根がぶよぶよ・黒ずんで軟らかくなります。

原因: 蒸し暑い夏の休眠期に湿った状態が続いた、蒸れ。

対策: 夏は風通しのよい涼しい日陰でほぼ断水にし、蒸れを防ぎます。

⚠ つるが間延びして弱々しい

生育期のつるがひょろ長く、葉も小さくなります。

原因: 生育期(秋〜春)の日照不足。

対策: 生育期はよく日の当たる場所に移し、しっかり日に当てます。

⚠ 生育サイクルを取り違えて弱る

生育と休眠の時期を間違えた管理で株が弱ります。

原因: 夏型と同じ管理(夏に水やり・冬に断水)をしてしまった。

対策: 冬型と理解し、秋〜春に生育・夏に休眠のリズムで水やりと置き場所を切り替えます。

FAQ

よくある質問

乾燥に強く水やりは少なくてよいですが、夏に休眠する「冬型」のリズムと、蒸し暑い日本の夏越しにコツが要るため、塊根植物のなかではやや中級者向けです。冬型のサイクルを理解し、夏は涼しい日陰でほぼ断水、生育期(秋〜春)はよく日に当てて乾いたら水やり、を守れれば育てられます。

冬型の亀甲竜は、暑くなる春から夏に葉を枯らして休眠します。これは枯死ではなく自然な休眠です。葉が枯れたら、風通しのよい涼しい日陰に移し、ほぼ断水にして夏を越させます。秋になると塊根の頂部から新しい芽が動き出し、再び生長を始めます。

生育期(秋〜春)は土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。葉を枯らす夏の休眠期は、ほぼ断水にします。一般的な夏型の塊根植物とは生育の季節が逆になる点に注意してください。夏の過湿は塊根を腐らせる最大の原因です。

日本の蒸し暑い夏は亀甲竜の休眠期。直射日光と高温多湿を避け、風通しのよい涼しい日陰に置いて、ほぼ断水で乾かして越させます。閉め切った高温の室内や強い西日は禁物です。「涼しく・乾かして・風を通す」を徹底すると、塊根が蒸れて腐るのを防げます。

亀甲模様は、株が大きくなるにつれて、塊根表面のコルク質が自然にひび割れて生じます。小さな実生株のうちはなめらかですが、年月をかけて育てるうちに少しずつ割れ目が入り、立派になります。塊根を地上に見せて育てると、模様の変化を観賞できます。あせらず長く育てましょう。

亀甲竜はヤマノイモ科で、食用のヤマイモやナガイモの仲間ではありますが、塊根にはサポニンなどの成分を含み、食用にはしません。観賞用として育てる植物です。誤って口にしないよう、小さな子どもやペットの手の届かない場所で管理すると安心です。

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