モウセンゴケ
Drosera Sundew
モウセンゴケは、葉の表面にびっしりと生えた、先に粘液の玉をつけた毛(腺毛)で、虫をとらえる食虫植物です。きらきらと光る粘液の玉が朝露のように...
かんたんに言うと
モウセンゴケ(ドロセラ)は、葉の粘液の玉で虫をとらえる食虫植物。腰水で用土を常に湿らせ(雨水・精製水)、肥料は厳禁、よく日に当てると葉が赤く粘液も輝きます。温帯性は冬に休眠、熱帯性は周年生育と種類で性質が異なります。
Profile
基本情報
モウセンゴケは、葉の表面にびっしりと生えた、先に粘液の玉をつけた毛(腺毛)で、虫をとらえる食虫植物です。きらきらと光る粘液の玉が朝露のように美しく、英名の「サンデュー(太陽のしずく)」のとおり、日に当たると宝石のように輝きます。虫がこの粘液にくっつくと、葉がゆっくりと丸まって虫を包み込み、消化して栄養にします。
種類が非常に多く、日本の湿地に自生する小型のものから、世界各地の、葉の形や大きさがさまざまな種類まであり、コレクション性の高さでも人気の食虫植物です。「コケ」と名前につきますが、コケの仲間ではなく、れっきとした花を咲かせる種子植物です。原産地は世界中の、栄養の乏しい湿地。
土から栄養がとれない環境で生き抜くため、虫をとらえて栄養を補うように進化しました。育て方の基本は、ほかの食虫植物と同じで、鉢を水に浸ける「腰水」で用土を常に湿らせ、肥料は与えず、よく日に当てます。日光に当てると、粘液の玉が増えて葉が赤く色づき、きらきらと美しく育ちます。
水道水のミネラルを嫌うので、雨水や精製水が理想。種類によって、日本産や温帯性のものは冬に休眠が必要で、熱帯性のものは一年中生育するなど性質が違うので、育てる種類の性質を知っておくと安心です。小さくても存在感があり、輝く粘液の美しさを楽しめる、魅力的な食虫植物です。
💡豆知識
モウセンゴケの粘液の玉は、ねばねばと粘りけが強く、いちど虫がくっつくと簡単には逃げられません。さらに、虫がもがくと、その刺激で、まわりの腺毛や葉そのものが、ゆっくりと獲物のほうへ曲がって包み込み、より確実にとらえます。この動きは数分から数時間かけてゆっくり進むので、ハエトリソウのような素早さはありませんが、植物が「動いて」獲物をとらえる、興味深い仕組みです。
きらきら光る粘液は、虫を誘う役割と、とらえる役割をかねています。モウセンゴケの仲間は世界に200種以上あり、オーストラリアには、球根をつくって乾季を乗り切る変わった種類や、低木のように立ち上がる大型の種類もあります。日本にも、湿原に自生するモウセンゴケやコモウセンゴケなどがありますが、自生地の多くは貴重な環境で、野生のものの採取は避け、栽培品を育てるのが基本です。「コケ」と名がつくのに花を咲かせる種子植物、という意外性も、この植物のおもしろさのひとつです。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え替え | 3月は植え替え | |||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 | 12月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え替え | 3月は植え替え | |||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 | 12月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え替え | 3月は植え替え | |||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 | 12月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 3〜30cm
- 株張り
- 3〜20cm
- 花のサイズ
- 白やピンクの小花が花茎の先に咲く
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 0℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 4.0〜5.5
- 水やり
- 腰水で用土を常に湿らせる。雨水・精製水が理想。
- 肥料
- 不要(肥料は根を傷め厳禁)
How to grow
育て方ステップ
-
1
置き場所を決める(日光が好き)
約7日モウセンゴケは、日当たりのよい湿地に育つ食虫植物で、強い日光を好みます。よく日の当たる場所に置くと、葉に粘液の玉がたくさんつき、葉そのものも赤く色づいて、きらきらと美しく育ちます。屋外の、雨の当たるベランダや庭が理想的です。日照が不足すると、粘液が減って葉が緑のまま間延びし、虫もとらえにくく、せっかくの輝きも失われます。
室内で育てる場合は、一日を通してよく日が入る明るい窓辺に置きますが、ガラス越しでは光が不足しがちなので、できるだけ屋外で育てるのがおすすめです。ただし、種類によっては、明るい半日陰を好むものや、テラリウムなどの湿度の高い環境で育てやすいものもあります。
とくに、室内のテラリウムで、照明(植物育成ライト)を当てて育てると、湿度と光を保ちやすく、小型のモウセンゴケを美しく楽しめます。生育に適した温度は種類によりますが、春から秋の生育期によく日に当てるのが、共通して大切なポイントです。
💡よく日に当てると粘液が増え葉が赤く輝く。日照不足は粘液が減り徒長。テラリウム+照明も有効。
-
2
水やり(腰水で常に湿らせる)
約30日モウセンゴケの水やりも、ほかの食虫植物と同じく「腰水(こしみず)」が基本です。鉢を、水を張った受け皿やトレーに浸けて、鉢底から水を吸わせ、用土を常に湿った状態に保ちます。原産地が、いつも湿った湿地なので、土を乾かさないことが大切。とくにモウセンゴケは小型のものが多く、用土が少ないと乾きやすいので、腰水を切らさないようにします。
受け皿の水は、深さ1〜3cmほどをためておき、なくなったら足します。水の種類も重要で、モウセンゴケも水道水のミネラルを嫌うので、雨水や精製水、軟水が理想です。空気が乾燥すると、粘液の玉が小さくなったり、つきにくくなったりするので、湿度の高い環境を好みます。
テラリウムや、まわりを囲った湿度の保てる場所で育てると、粘液がよりきれいにつきます。夏は、腰水の水温が上がりすぎないよう、水をこまめに替えるなどして根を守ります。
💡腰水で常に湿らせる。小型で乾きやすいので切らさない。湿度が高いと粘液がきれいにつく。
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3
用土と植え替え(肥料は厳禁)
約14日モウセンゴケにも、栄養分のない、酸性の用土を使います。一般の培養土や肥料入りの土は、根を傷めて枯らすので使いません。適した用土は、水苔単用か、ピートモスに鹿沼土やパーライト、川砂などを混ぜた、水もちがよく酸性で無肥料のもの。市販の「食虫植物の土」が手軽で確実です。
鉢は、小型のモウセンゴケなら小鉢で十分ですが、腰水で乾きにくいよう、ある程度の深さがあると安心です。植え替えは、1〜2年に一度を目安に、生育の始まる時期に行います。古い用土を落とし、傷んだ根を整理して、新しい用土に植え直します。水苔やピートモスは時間がたつと分解して通気が悪くなるので、定期的に新しくするのが、健康に育てるコツです。
モウセンゴケは、種類によっては、葉を切って植える「葉挿し」や、こぼれ種でふえやすいものもあり、ふやす楽しみもあります。肥料は植え替え時も一切混ぜません。栄養は、とらえる虫と光合成で十分にまかなえます。植え替え後は、明るい場所で腰水管理に戻します。
💡無肥料・酸性の用土(水苔・ピートモス系)で。1〜2年に一度植え替え。肥料は厳禁。葉挿しでふえる種類も。
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4
虫とのつき合い方・粘液を楽しむ
約30日モウセンゴケの最大の魅力は、きらきらと輝く粘液の玉です。この粘液は、株が元気で、日光と湿度が十分なときによくつきます。逆に、粘液が減ってきたら、日光不足や乾燥、株の不調のサインと考え、環境を見直しましょう。なお、粘液は、雨に当たったり、虫をとらえて消化中だったりすると、一時的に減ることがありますが、これは自然なことです。
虫とのつき合い方は、ほかの食虫植物と同じく、基本は自然にまかせます。屋外で育てていれば、小さな虫(コバエなど)を自然にたくさんとらえるので、人工的にエサを与える必要はありません。むしろ、大きすぎる虫や肉を与えると、消化しきれずに葉を傷めるので避けます。
葉が虫をとらえて丸まり、消化が終わるとまた開く様子は、観察していて飽きません。指で粘液を何度も触ったり、無理に葉を曲げたりすると、株を弱らせるので、観賞は自然のままを楽しみます。日光と腰水の管理が正しければ、光合成と自然にとらえる虫で十分に育ち、輝く粘液を長く楽しめます。
💡粘液は日光と湿度が十分だとよくつく。虫は自然にまかせ、大きな虫や肉は与えない。
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5
種類に合わせた冬越し
約120日モウセンゴケは種類が非常に多く、冬越しの方法は、育てている種類が「温帯性(日本産を含む)」か「熱帯性」かによって変わります。日本に自生するモウセンゴケや、温帯性の種類は、冬に寒さに当てて休眠させる必要があります。秋に生育を止め、芽だけの姿(冬芽)になって休眠するものもあり、これは自然なこと。
暖かい室内で越冬させず、屋外で寒さに当てて休ませます。一方、熱帯性のモウセンゴケは、寒さに弱く休眠しないので、冬も10〜15度ほどの暖かさを保ち、室内の明るい場所や、テラリウムで一年中育てます。このように、種類によって冬の管理が正反対になるので、育てる前に、その種類が温帯性か熱帯性かを確認しておくことが大切です。
分からない場合は、購入した店や品種名で調べると安心です。共通して言えるのは、休眠する種類は乾かしすぎない程度に腰水を浅くし、休眠しない熱帯性は暖かく湿度を保つこと。種類の性質を知って管理すれば、モウセンゴケは小さくても丈夫で、長く輝く姿を楽しめます。
💡温帯性・日本産は冬に寒さで休眠、熱帯性は暖かく周年生育。種類の性質を必ず確認する。
Checklist
育てる前のチェックリスト
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✓600〜2,500円
モウセンゴケの苗(鉢)
専門店や通販で入手できる。種類が豊富。
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✓500〜1,500円
食虫植物の土(水苔・ピートモス系)
無肥料・酸性の専用用土。
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✓100〜1,000円
腰水用の受け皿・トレー
鉢を浸けて用土を湿らせる。
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○100〜500円
精製水・軟水 (任意)
ミネラルの少ない水。雨水でも代用可。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
灰色かび病
時々症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 水道水・肥料で弱って枯れる
葉が枯れ込み、株が弱ります。
原因: 水道水のミネラルの蓄積、または肥料を与えた。
対策: 雨水・精製水で腰水管理し、肥料は一切与えません。
⚠ 日照不足・乾燥で粘液が減り徒長
粘液がつかず、葉が緑のまま間延びします。
原因: 日光不足、空気の乾燥。
対策: よく日の当たる場所に移し、腰水と湿度を保ちます。
⚠ 種類に合わない冬管理で弱る
冬越しに失敗して株が枯れます。
原因: 温帯性を暖かく、または熱帯性を寒さに当ててしまった。
対策: 種類が温帯性か熱帯性かを確認し、それぞれに合った冬管理をします。
FAQ
よくある質問
小型で場所をとらず、腰水と日光で育てやすいので、食虫植物の入門にも向きます。輝く粘液の美しさを手軽に楽しめます。基本は、腰水で乾かさない、肥料を与えない、よく日に当てる、の3点。育てる種類が温帯性か熱帯性かで冬の管理が変わる点だけ、確認しておきましょう。
多くは日光不足か乾燥が原因です。粘液は、よく日に当たり、湿度が十分で、株が元気なときによくつきます。日当たりのよい場所に移し、腰水を切らさず、湿度を保つと、再びきらきらと粘液がついてきます。雨に当たった直後や消化中に一時的に減るのは自然なことです。
鉢を水に浸ける腰水で、用土を常に湿らせます。とくに小型で乾きやすいので、腰水を切らさないように。水は、ミネラルの少ない雨水や精製水が理想です。空気が乾くと粘液がつきにくいので、テラリウムなど湿度の保てる環境だと、よりきれいに育ちます。
肥料は与えません。根から肥料を吸うと傷んで枯れます。エサ(虫)も基本は不要で、屋外なら小さな虫を自然にとらえ、光合成と合わせて十分に育ちます。大きすぎる虫や肉を与えると消化できず葉を傷めるので避けます。栄養は自然にまかせるのが安全です。
はい。モウセンゴケは名前に「コケ」とつきますが、コケの仲間ではなく、花を咲かせる種子植物です。春から夏に、細い花茎を伸ばして、白やピンクの小さな花を咲かせます。種ができる種類もあり、こぼれ種でふえることもあります。
育てている種類によります。日本産や温帯性の種類は、冬に屋外で寒さに当てて休眠させます(冬芽になるものもあります)。一方、熱帯性の種類は寒さに弱いので、冬も10〜15度ほどの暖かさを保ち、室内で周年育てます。種類の性質を確認して管理しましょう。
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