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植物図鑑
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網目模様の筒状の葉が立ち上がるサラセニア
🪰 食虫植物

サラセニア

Sarracenia Pitcher plant

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 鉢植えは1000〜5000円

サラセニアは、地面からまっすぐ筒状に立ち上がる、ラッパのような葉で虫をとらえる、北アメリカ原産の食虫植物です。葉が変化した、すらりと背の高い...

かんたんに言うと

サラセニアは筒状の葉で虫をとらえる北米原産の食虫植物。日光が大好きで、腰水で用土を常に湿らせ(雨水・精製水が理想)、肥料は厳禁。温帯性なので冬は寒さに当てて休眠させます。立ち上がる筒の美しさが魅力。

Profile

基本情報

サラセニアは、地面からまっすぐ筒状に立ち上がる、ラッパのような葉で虫をとらえる、北アメリカ原産の食虫植物です。葉が変化した、すらりと背の高い筒(捕虫葉)の入り口は、甘いみつと模様で虫を誘い、ふちのすべりやすい部分から、筒の奥へと虫を落とし込みます。

筒の内側には下向きの毛が生えていて、落ちた虫は登れず、底にたまった消化液で分解されて栄養になります。立ち上がる筒の、すっと伸びた美しいフォルムと、緑・赤・網目模様など、種類による彩りの豊かさが魅力で、寄せ植えや、コレクションとしても人気です。

ウツボカズラ(熱帯性)とは違い、サラセニアは北アメリカの温帯〜亜熱帯の湿地に育つため、育て方はハエトリソウによく似ています。日光が大好きで、よく日に当てると、筒が太く色鮮やかに育ちます。水やりは、鉢を水に浸ける「腰水」で、用土を常に湿らせるのが基本。

水道水のミネラルを嫌うので、雨水や精製水が理想です。肥料は根を傷めるので与えず、栄養は筒でとらえる虫と光合成でまかないます。そして、温帯性なので、冬は寒さに当てて休眠させる必要があります。日当たりさえ確保できれば、丈夫で育てやすく、立ち姿の美しさを長く楽しめる、見ごたえのある食虫植物です。

分類
食虫植物 / 落とし穴わな(ウツボカズラ・サラセニア)
原産地
アメリカ、北アメリカ
別名
サラセニア、ヘイシソウ、アメリカウツボカズラ、トランペットピッチャー
価格目安
鉢植えは1000〜5000円

💡豆知識

サラセニアの「筒」は、葉が変化したもので、正しくは捕虫葉(ほちゅうよう)と呼ばれます。筒の入り口にはふたのような部分があり、これは雨が筒に入りすぎて消化液が薄まるのを防ぐ屋根の役割や、虫を誘う着地場所の役割をするといわれます。筒の表面には、赤い網目模様(脈)が走る種類が多く、これは虫を引き寄せる目印になっていると考えられています。

北アメリカの東部から南部の湿地に分布し、種類によって、すらりと背の高いもの、ずんぐりと低いもの、ふたが大きく筒をおおうものなど、姿はさまざま。園芸用には、種類どうしをかけ合わせた、色や模様の美しい交配種も数多く作られ、コレクションされています。

同じ食虫植物でも、ぶら下がる袋のウツボカズラ、挟みとるハエトリソウ、立ち上がる筒のサラセニアと、わなの形が三者三様なのもおもしろいところ。サラセニアは丈夫で育てやすく、日本の気候にも比較的なじみやすいことから、屋外で大株に育てる楽しみもある、初心者にもすすめやすい食虫植物です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
3月は植え替え
開花
4月は開花
病害虫注意
7月は病害虫注意
12月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
3月は植え替え
開花
4月は開花
病害虫注意
7月は病害虫注意
12月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
3月は植え替え
開花
4月は開花
病害虫注意
7月は病害虫注意
12月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
15〜80cm
株張り
15〜40cm
花のサイズ
赤や黄の花が春に葉より先に咲く

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-5℃
耐暑温度
35℃
土壌pH
4.0〜5.5
水やり
腰水で用土を常に湿らせる。雨水・精製水が理想。
肥料
不要(肥料は根を傷め厳禁)

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(日光が大好き)

    約7日

    サラセニアは、北アメリカの日当たりのよい湿地に育つ食虫植物で、強い日光を大好きです。できるだけよく日の当たる場所に置きましょう。屋外の、雨の当たるベランダや庭が理想的で、たっぷり日に当てると、筒が太くがっしりと立ち上がり、赤や網目模様の色も鮮やかに発色します。

    日照が不足すると、筒が細く間延びして倒れやすくなり、色も冴えず、虫もとらえにくくなります。サラセニアは、食虫植物のなかでもとくに日光を必要とするので、室内のガラス越しでは光が足りないことが多く、できるだけ屋外で育てるのがおすすめです。風通しのよい環境も好み、屋外の風の通る場所でよく育ちます。

    生育に適した温度は、春から秋の生育期で、暑さにも比較的強く、日本の夏も屋外で越せます。ただし、真夏の高温で腰水の水温が上がりすぎると根が傷むことがあるので、夏は水替えや、鉢の温度上昇を抑える工夫をします。立ち上がる筒の美しさは、十分な日光があってこそ。とにかくよく日に当てるのが、きれいに育てる第一歩です。

    💡よく日に当てると筒が太く色鮮やかに。日照不足は細く倒れる。屋外管理が基本。

  2. 2

    水やり(腰水で常に湿らせる)

    約30日

    サラセニアの水やりは、ハエトリソウと同じく「腰水(こしみず)」が基本です。鉢を、水を張った受け皿やトレーに浸けっぱなしにして、鉢底から水を吸わせ、用土を常に湿った状態に保ちます。原産地が、いつも水のしみ出す湿地なので、土を乾かさないことが大切。

    受け皿の水は、深さ2〜5cmほどをためておき、なくなったら足します。サラセニアは水を好むので、腰水はやや深めでもよく、大株になるほど水をよく吸います。水の種類も重要で、サラセニアも水道水のミネラルを嫌うので、雨水や精製水、軟水が理想です。とくに、長く水道水だけで育てると、ミネラルがたまって徐々に弱ることがあるので、できるだけミネラルの少ない水を使います。

    真夏は、腰水の水温が上がりすぎないよう、こまめに水を替えたり、トレーの水を新しくしたりして、根が傷まないようにします。冬の休眠期は、生育期ほど水を必要としないので、腰水を浅くしますが、用土を乾かしきらないようにします。

    💡腰水(やや深めでも可)で常に湿らせる。雨水・精製水が理想。夏は水温の上がりすぎに注意。

  3. 3

    用土と植え替え(肥料は厳禁)

    約14日

    サラセニアにも、栄養分のない、酸性の用土を使います。一般の培養土や肥料入りの土は、根を傷めて枯らすので使いません。適した用土は、水苔単用か、ピートモスに鹿沼土やパーライト、川砂などを混ぜた、水もちがよく酸性で無肥料のもの。市販の「食虫植物の土」が手軽で確実です。

    鉢は、腰水で水位を保ちやすく、根が深く張れる、やや深めの鉢が向きます。植え替えは、1〜2年に一度を目安に、生育の始まる早春(休眠明け)に行います。サラセニアは、地下茎(根茎)を伸ばして大きくなるので、株が混んできたら、このとき株分けでふやすこともできます。

    古い用土を落とし、傷んだ根や枯れた筒を整理して、根茎が浅く埋まるように新しい用土に植え直します。水苔やピートモスは時間がたつと分解するので、定期的な植え替えで新しくするのが、健康に育てるコツ。肥料は植え替え時も一切混ぜません。植え替え後は、日当たりのよい場所で腰水管理に戻します。

    💡無肥料・酸性の用土(水苔・ピートモス系)で。早春に植え替え、混んだら株分け。肥料は厳禁。

  4. 4

    花と虫とのつき合い方

    約30日

    サラセニアは、春に、葉(筒)が伸びるより先に、長い花茎を立ち上げて、うつむいた独特の形の花を咲かせます。赤や黄色の花は観賞価値が高く、サラセニアのもうひとつの楽しみです。花のあとは、種をとらない場合、花がらを摘んでおくと、株の体力を温存できます。

    虫とのつき合い方は、ハエトリソウと同じく、基本は自然にまかせます。屋外で日当たりよく育てていれば、筒が自然にたくさんの虫をとらえるので、人工的にエサを与える必要はありません。むしろ、肉や大きすぎる虫を入れると、消化しきれずに筒の中で腐り、筒を傷める原因になるので避けます。

    日光と腰水の管理が正しければ、光合成と自然にとらえる虫で十分に育ちます。秋が深まると、古い筒から順に枯れていきますが、これは自然なこと。枯れた筒は、見た目が気になれば根元から切ってもよいですが、株の保護にもなるので、休眠前は無理に全部切らなくてもかまいません。

    💡春に独特の花が咲く。虫は自然にまかせ、肉や大きな虫は筒を腐らせるので入れない。

  5. 5

    冬の休眠と冬越し

    約120日

    サラセニアは、北アメリカの温帯〜亜熱帯に育つ植物なので、ハエトリソウと同じく、冬に寒さに当てて休眠させる必要があります。熱帯性のウツボカズラとは逆で、冬に暖かい室内に取り込んではいけません。秋に気温が下がると、サラセニアは生育を止め、古い筒が枯れて、休眠に入ります。

    休眠中は、屋外の、しっかり寒さに当たる場所で越させるのが大切。暖かい室内で冬を越させると、休眠できずに株が弱り、翌年の生育が悪くなります。サラセニアは耐寒性が比較的高く、多くの種類は、屋外で日本の冬を越せます。ただし、凍結が長く続く寒冷地や、鉢が小さく凍りやすい場合は、軒下や、簡単な霜よけ、腰水を浅くするなどで、根が完全に凍りつくのを防ぎます。

    休眠期は、生育期ほど水を必要としないので、腰水を浅くしますが、用土を乾かしきらないようにします。春になって暖かくなると、根茎から新しい筒が次々と立ち上がり、生育を再開します。この冬の休眠を毎年きちんと与えることが、サラセニアを大株に、長く育てる秘訣です。

    💡温帯性なので冬は屋外で寒さに当てて休眠させる。耐寒性は高め。極端な凍結だけ防ぐ。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • サラセニアの苗(鉢)

    園芸店や専門店、通販で入手できる。

    1,000〜5,000円
  • 食虫植物の土(水苔・ピートモス系)

    無肥料・酸性の専用用土。

    500〜1,500円
  • 腰水用の受け皿・トレー

    鉢を浸けて用土を湿らせる。やや深めが向く。

    100〜1,500円
  • 精製水・軟水 (任意)

    ミネラルの少ない水。雨水でも代用可。

    100〜500円
初期費用の目安(必須のみ) 1,600〜8,000円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

病気

灰色かび病

時々

症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。

予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。

対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 水道水・肥料で弱って枯れる

筒が枯れ込み、株全体が弱ります。

原因: 水道水のミネラルの蓄積、または肥料を与えた。

対策: 雨水・精製水で腰水管理し、肥料は一切与えません。

⚠ 日照不足で筒が細く倒れる

筒が細く間延びして倒れ、色も冴えません。

原因: 日光不足(室内のガラス越しなど)。

対策: できるだけよく日の当たる屋外に移します。

⚠ 冬に休眠できず弱る

翌春の生育が悪く、株が衰えます。

原因: 暖かい室内で越冬させ、寒さによる休眠ができなかった。

対策: 冬は屋外で寒さに当てて休眠させます(極端な凍結だけ防ぐ)。

FAQ

よくある質問

食虫植物のなかでは丈夫で育てやすい部類です。日当たりのよい屋外で、腰水で用土を常に湿らせ、肥料を与えず、冬は寒さに当てて休眠させる、という基本を守れば、屋外で大株に育てる楽しみもあります。とくに「日光をたっぷり」「腰水を切らさない」「肥料は厳禁」の3点が大切です。

鉢を水に浸ける腰水で、用土を常に湿らせます。サラセニアは水を好むので、受け皿の水は深さ2〜5cmほどとやや深めでも大丈夫。水は、ミネラルの少ない雨水や精製水が理想です。真夏は腰水の水温が上がりすぎないよう、こまめに水を替えて根を守ります。

はい、大きく違います。ウツボカズラは熱帯性で寒さに弱く、冬も暖かく保ち、明るい半日陰と高湿度を好みます。一方サラセニアは温帯性で、日光が大好き、腰水で育て、冬は寒さに当てて休眠させます。同じ食虫植物でも前提が逆なので、種類に合わせた管理が大切です。

いいえ、与えません。サラセニアは栄養の乏しい湿地に適応した植物で、根から肥料を吸うと傷んで枯れます。栄養は、筒でとらえる虫と光合成でまかなうので、用土も肥料分のない酸性のもの(水苔やピートモス系)を使います。

温帯性なので、冬は屋外で寒さに当てて休眠させます。暖かい室内に取り込むと休眠できず弱ります。耐寒性は比較的高く、多くの種類は屋外で日本の冬を越せます。寒冷地や鉢が凍りやすい場合だけ、軒下や霜よけで極端な凍結を防ぎます。

古い筒から順に枯れるのは自然なことです。とくに秋以降は、休眠に向けて古い筒が枯れていきます。株が元気なら、春に根茎から新しい筒が次々と立ち上がります。枯れた筒は見た目が気になれば切ってもよいですが、休眠前は株の保護にもなるので、無理に全部切らなくても大丈夫です。

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