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植物図鑑
🍃
ふさふさと立ち上がる深緑のヒノキゴケ(イタチノシッポ)
🍃 苔・テラリウム

ヒノキゴケ

Pyrrhobryum dozyanum Pyrrhobryum moss

普通 難易度3(5段階中): 普通 💰 鉢植えは500〜2500円

ヒノキゴケは、細い茎にやわらかな葉が密につき、ふさふさと立ち上がる、ボリューム感のある美しいコケです。その、ふっくらと茂る姿が、ヒノキの葉や...

かんたんに言うと

ヒノキゴケ(イタチノシッポ)は、ふさふさと立ち上がる、深緑の美しいコケ。苔テラリウムで人気。湿り気を好み乾燥に弱いので、湿度を保ちやすいガラス容器で、明るい日陰に置き、霧吹きで湿り気を切らさず育てます。蒸れにも注意し適度に換気します。

Profile

基本情報

ヒノキゴケは、細い茎にやわらかな葉が密につき、ふさふさと立ち上がる、ボリューム感のある美しいコケです。その、ふっくらと茂る姿が、ヒノキの葉や、動物の毛並みを思わせることから「ヒノキゴケ」と呼ばれ、また、しっぽのように、ふさふさと揺れる様子から「イタチノシッポ(鼬の尻尾)」という、愛らしい別名でも親しまれています。

深く鮮やかな緑色と、ふんわりとした立体的な姿は、苔テラリウムの中で、森の下草のような、みずみずしい景色をつくり出し、ホソバオキナゴケ(山苔)と並んで、テラリウムでとても人気の高いコケです。ヒノキゴケは、コケ植物の仲間で、根をもたず、体全体で水分を吸収します。

日本の、湿った森の地面や、谷沿いの、やや暗く湿り気の多い場所に育つので、栽培でも、高めの湿度と、明るい日陰を好みます。コケのなかでも、とくに湿り気を好み、乾燥には弱いので、湿度を保ちやすい、ガラス容器の苔テラリウムが、もっとも育てやすい環境。

ふさふさとした葉は、乾燥すると、すぐにちりちりと縮れて、傷みやすいので、湿り気を切らさないことが、美しく保ついちばんのコツです。一方で、湿り気を好む分、蒸れにも注意が必要。深い緑の、ふんわりとしたボリュームで、テラリウムに、森のような潤いと立体感をもたらす、人気のコケです。

分類
苔・テラリウム / テラリウム向き
原産地
日本、東アジア
別名
ヒノキゴケ、檜苔、イタチノシッポ、イタチのシッポ
適期
植え付けは4月
価格目安
鉢植えは500〜2500円

💡豆知識

ヒノキゴケが、苔テラリウムで人気なのは、ほかの多くのコケが、平らに広がったり、こんもりと丸くなったりするのに対し、ヒノキゴケが、ふさふさと「立ち上がる」、めずらしい姿をもつためです。この立体感が、テラリウムの景色に、高さと動きを生み、森の下草が茂るような、奥行きのある風景をつくれます。

深く鮮やかな緑色も美しく、光が当たると、ふんわりとした葉が、やわらかく輝きます。「イタチノシッポ」という別名は、この、ふさふさとした姿を、イタチの、ふっくらしたしっぽに見立てたもの。実際に手でそっと触れると、しっとりと、やわらかな毛のような感触があります。

日本の、湿った森を歩くと、谷沿いの斜面や、湿った地面に、ヒノキゴケが、緑のじゅうたんのように群生している景色に出会うことがあり、その、みずみずしさは格別です。コケは、種類ごとに、好む明るさや湿り気が少しずつ違い、ヒノキゴケは、そのなかでも、とくに湿り気を好む「湿性」のコケ。

だからこそ、乾燥に弱く、テラリウムのような、湿度の保てる環境が向きます。ふさふさの姿と、深い緑の潤いで、コケの世界に、森の風景を運んでくれる、魅力的なコケです。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
植え替え
5月は植え替え
病害虫注意
6月は病害虫注意
8月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
植え替え
5月は植え替え
病害虫注意
6月は病害虫注意
8月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
植え替え
5月は植え替え
病害虫注意
6月は病害虫注意
8月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 普通
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) やや高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
2〜10cm
株張り
3〜30cm

環境条件

日照
日陰
耐寒温度
-5℃
耐暑温度
30℃
土壌pH
5.0〜6.0
水やり
霧吹きで湿り気を切らさない(乾燥にとくに弱い)。テラリウムは過湿に注意し換気。
肥料
基本不要(コケは肥料をほとんど必要としない)

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(明るい日陰・高湿度)

    約7日

    ヒノキゴケは、日本の湿った森の地面や、谷沿いの、やや暗く湿り気の多い場所に育つコケなので、「直射日光の当たらない、明るい日陰」で、高めの湿度のある環境を、とくに強く好みます。コケのなかでも、湿り気を好む度合いが高く、乾燥に弱いので、置き場所選びは、しっとりとした、湿度の保てる場所を、何より優先します。

    屋外なら、建物の北側や、谷沿いのような、湿った日陰が向きますが、乾きやすい場所では、すぐに縮れて傷んでしまいます。そのため、ヒノキゴケが、もっとも育てやすいのは、湿度を高く保てる、ガラス容器の「苔テラリウム」です。ふた付きや、口の狭い容器なら、湿度がこもって、ヒノキゴケの好む、しっとりとした環境を保てます。

    室内の、レースカーテン越しの明るい窓辺や、植物育成ライトの下にテラリウムを置けば、ふさふさとした美しい姿を、長く楽しめます。ただし、直射日光が、ガラス容器に当たると、中が高温になって蒸れ、傷むので、直射の当たらない明るい場所に置くことが大切。「明るい日陰と、高い湿度」が、乾燥に弱いヒノキゴケを育てる、置き場所の最重要ポイントです。

    💡明るい日陰と高い湿度をとくに好む。乾燥に弱いのでテラリウム向き。直射は容器内が高温になり厳禁。

  2. 2

    水やり(湿り気を切らさない)

    約30日

    ヒノキゴケの水やりで、いちばん大切なのは、「湿り気を切らさない」ことです。ヒノキゴケは、コケのなかでも、とくに乾燥に弱く、ふさふさとした葉は、湿り気が足りなくなると、すぐにちりちりと縮れて、傷んでしまいます。スナゴケのように、乾いて休んで、また復活、という強さはあまりないので、乾かしすぎないことが、美しく保つ絶対条件です。

    霧吹き(ミスティング)で、コケの表面を、まんべんなく、しっとり濡れるまで、こまめに湿らせ、常に、ある程度の湿り気を保ちます。とくに、開放的な場所では、乾きやすいので、湿度の保てるテラリウムで育てるのが、いちばん確実。一方で、湿り気を好むからといって、油断は禁物で、コケ全般に共通する「蒸れ」には、ヒノキゴケでも注意が必要です。

    常にびしょびしょの過湿で、空気がよどむと、ふさふさの葉の内部が蒸れて、茶色く傷んだり、カビが生えたりします。「湿り気は保ちつつ、空気はよどませない」というバランスが大切。テラリウムでは、湿度を保ちながらも、ときどき、ふたを開けて換気し、容器の内側が、常に水滴でびっしり曇るほどなら、過湿のサインなので、換気を強めます。水は、ミネラルの少ない雨水や軟水が向きます。

    💡乾燥にとくに弱い。湿り気を切らさずこまめに霧吹き。ただし蒸れも避けて適度に換気するバランスで。

  3. 3

    テラリウムに植える(立体感を生かす)

    約21日

    ヒノキゴケは、ふさふさと立ち上がる、めずらしい姿を生かして、苔テラリウムで、森の下草のような、立体的な景色をつくるのに、最適なコケです。苔テラリウムをつくるなら、ガラス容器の底に、根腐れを防ぐための軽石やゼオライトの層を敷き、その上に、苔・テラリウム用の土を入れて湿らせ、そこへ、ヒノキゴケの塊を、底をしっかり押しつけるように配置します。

    ヒノキゴケは、高さが出るので、テラリウムの「後方」や、見せ場に配置すると、奥行きと立体感が生まれ、こんもりとしたホソバオキナゴケ(山苔)や、平らに広がるコケと組み合わせると、高低差のある、変化に富んだ景色をつくれます。深く鮮やかな緑色も、レイアウトを引き締めます。

    植えたあとは、乾燥に弱いので、最初から、湿度の高い環境を保ち、活着を待ちます。乾かしてしまうと、活着前に縮れて傷むので、湿り気の管理が、ほかのコケ以上に大切。湿度の保てる、ふた付きや口の狭い容器を選ぶと、ヒノキゴケの、ふさふさとした美しさを、安定して保てます。森のような、みずみずしい景色を、テラリウムの中につくり出しましょう。

    💡立ち上がる姿を生かし、テラリウムの後方や見せ場に。山苔や平たいコケと組むと立体的な景色に。湿度を保つ容器で。

  4. 4

    蒸れと乾燥を防いで美しく保つ

    約30日

    ヒノキゴケを美しく保つには、「乾燥」と「蒸れ」という、相反する二つの敵を、どちらも防ぐ、繊細な管理が求められます。まず、乾燥は最大の敵で、湿り気を切らすと、ふさふさの葉が、すぐに縮れて傷むので、湿度の高い環境を、つねに保ちます。そのうえで、もうひとつの敵、蒸れにも注意。

    湿度を保ちつつ、空気がよどんで、過湿で蒸れると、葉の内部が茶色く枯れたり、カビが生えたりします。この、「湿り気は保つが、蒸れさせない」というバランスが、ヒノキゴケ栽培の腕の見せどころ。テラリウムなら、ふたや口で湿度を保ちながら、ときどき、ふたを開けて換気し、新鮮な空気を入れます。

    容器の内側が、常に水滴でびっしり曇り続けるのは、過湿で空気がよどんでいるサインなので、換気を強めます。とくに、湿度・気温ともに高い梅雨〜夏は、蒸れて傷みやすい難所。この時期は、換気をこまめに行い、できるだけ涼しい場所に置いて、蒸れを防ぎます。

    もし、茶色く傷んだ部分やカビが出たら、早めに取り除き、換気を強めます。ヒノキゴケは、やや手のかかるコケですが、湿度と換気のバランスを保てば、深い緑の、ふさふさとした、ほかにない美しさを、長く楽しめます。

    💡乾燥と蒸れの両方を防ぐ。高湿度を保ちつつ換気で空気をよどませない。梅雨〜夏の蒸れに最注意。

  5. 5

    ふやし方と一年の管理

    約120日

    ヒノキゴケは、元気な塊を、小さく分けて、湿らせた土の上に、底を密着させて植えると、それぞれが育って、ふさふさとした群れになります。茎を、適度な長さに切って、湿った土に挿すように植えても、活着して育ちます。細かくちぎってまく「まき苔」もできますが、いずれの方法でも、乾燥に弱いので、活着するまで、湿り気を切らさないことが、何より大切です。

    広がった塊は、分けて、新しいテラリウムに使えます。一年を通して見ると、ヒノキゴケが、もっとも美しく、生き生きとするのは、気温が穏やかで、湿度の保たれる、春と秋。この時期は、深い緑が濃く、ふさふさとした姿が際立ちます。注意が必要なのは、蒸れやすい梅雨〜夏で、湿り気を好むヒノキゴケでも、高温多湿の蒸れには弱いので、この時期は、換気をこまめに行い、できるだけ涼しい場所で、蒸れを防ぐのが、夏越しの最大のポイント。

    冬は、寒さには比較的強いですが、空気の乾燥には弱いので、湿度の保てる環境を保ちます。乾燥に弱いヒノキゴケは、開放的な屋外より、湿度を保てる室内のテラリウムのほうが、一年を通して、安定して美しく育てやすいコケです。肥料は不要で、高い湿り気と、明るい日陰、そして蒸れさせない換気。この三つのバランスを守れば、森のような、ふさふさの景色を、長く楽しめます。

    💡塊を分けるか茎を挿してふやす。活着まで乾かさない。春と秋に美しい。夏の蒸れが最大の難所。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • ヒノキゴケ(パック・マット)

    園芸店・通販で入手できる。テラリウム用に人気。

    500〜2,500円
  • 苔・テラリウム用の土 (任意)

    黒土・ケト土・専用ソイルなど。

    300〜1,200円
  • 霧吹き

    水やりに必須。乾燥に弱いのでこまめに。

    200〜800円
  • ガラス容器(ふた付き・口の狭いもの) (任意)

    湿度を保てる容器。乾燥に弱いヒノキゴケに必須に近い。

    500〜3,000円
初期費用の目安(必須のみ) 700〜3,300円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

病気

灰色かび病

時々

症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。

予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。

対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。

害虫

ナメクジ

時々

症状: 不規則な食害痕とテカった粘液の跡。

予防: 鉢の下など隠れ家を減らし乾燥を保つ。

対処: 夜間に捕殺、誘殺剤を設置。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 乾燥で葉が縮れて傷む

ふさふさの葉がちりちりに縮れて傷みます。

原因: 乾燥のしすぎ、湿度不足。

対策: 湿り気を切らさずこまめに霧吹きし、湿度の保てるテラリウムで育てます。

⚠ 蒸れて内部が茶色く傷む・カビる

ふさふさの内部が茶色く枯れ、カビが出ます。

原因: 過湿、空気のよどみ、高温多湿の夏の蒸れ。

対策: 湿度を保ちつつ換気し、夏は涼しい場所で蒸れを防ぎます。

⚠ 直射日光で傷む

コケが茶色く焼けて傷みます。

原因: 強い直射日光、テラリウム内の高温。

対策: 直射を避けた明るい日陰に置き、テラリウムも直射を避けます。

FAQ

よくある質問

ふさふさした姿が魅力で人気ですが、ヒノキゴケは乾燥にとくに弱く、やや手がかかるコケです。湿度を高く保てる、ふた付きや口の狭いガラス容器の苔テラリウムで育てると、安定して美しい姿を保てるので、初心者は、まずテラリウムで育てるのがおすすめ。湿り気を切らさず、適度に換気して蒸れを防ぐのがコツです。

乾燥が原因です。ヒノキゴケは乾燥にとくに弱く、湿り気が足りないと、ふさふさの葉がすぐ縮れます。霧吹きで湿らせると、ある程度は戻ることもありますが、ひどく乾くと傷むので、ふだんから湿り気を切らさないことが大切。湿度を保てるテラリウムで育てると、縮れを防げます。

乾燥に弱いので、湿り気を切らさないよう、霧吹きでこまめに湿らせ、常に湿度を保ちます。湿度の保てるテラリウムが確実です。一方で、湿り気を好むからと油断すると蒸れるので、過湿で空気をよどませないよう、ときどき換気します。湿り気は保つが蒸れさせない、というバランスが大切です。

ヒノキゴケは、コケのなかでもとくに湿り気を好み、乾燥に弱いので、開放的な場所では乾いて縮れやすいです。ガラス容器のテラリウムは、湿度を高く保てるため、ヒノキゴケの好む、しっとりした環境をつくれます。さらに、ふさふさ立ち上がる姿が、テラリウムの景色に立体感を生むので、見た目にも向いています。

湿り気を好むヒノキゴケでも、高温多湿の梅雨〜夏の蒸れには弱いです。夏は、換気をこまめに行い、できるだけ涼しい場所に置いて蒸れを防ぐのが、夏越しのポイント。テラリウムなら、涼しい室内で、ふたを開けて換気し、水のやりすぎを避けます。乾燥させない一方で、蒸れにも気を配るのが、夏の管理のコツです。

元気な塊を小さく分けて湿らせた土に密着させて植えるか、茎を適度な長さに切って湿った土に挿すように植えると、活着して育ちます。細かくちぎってまくこともできます。いずれも乾燥に弱いので、活着するまで湿り気を切らさないことが大切。広がったら新しいテラリウムに使えます。

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