スナゴケ
Racomitrium Racomitrium moss
スナゴケは、星のように放射状に葉を広げた小さな株が、無数に集まって、ふかふかとした緑の絨毯をつくる、丈夫で美しいコケです。一つひとつの株が、...
かんたんに言うと
スナゴケは、星形に葉を広げる丈夫なコケで、コケのなかでは日光と乾燥に強いのが特徴。日なた〜明るい半日陰で育ち、屋上緑化や苔庭に使われます。霧吹きで乾湿のメリハリをつけて管理し、ずっと湿った日陰だと逆に蒸れるので注意します。
Profile
基本情報
スナゴケは、星のように放射状に葉を広げた小さな株が、無数に集まって、ふかふかとした緑の絨毯をつくる、丈夫で美しいコケです。一つひとつの株が、星形にぱっと葉を開く姿が愛らしく、湿っているときは、鮮やかな黄緑色に、葉先まで生き生きと開きます。名前のとおり、もともと、砂地や、日当たりのよい岩の上などの、乾燥しやすい場所に育つコケで、コケのなかでは、とくに日光と乾燥に強いのが、最大の特徴です。
多くのコケが、湿った日陰を好むのに対し、スナゴケは、日なたから明るい半日陰でも育つので、屋外の苔庭づくりや、近年では、ビルの屋上を緑化する「屋上緑化」の素材としても、広く活用されています。コケは、根をもたず、体全体で水分を吸収する「コケ植物」の仲間。
スナゴケも、乾燥すると、葉を閉じて活動を止め、体を縮めて休み、雨や水を得ると、再び葉を星形に開いて、緑がよみがえる、という、たくましい生き方をします。育て方は、コケのなかでは日光と乾燥に強い分、比較的丈夫で扱いやすく、明るい場所で、乾湿のメリハリをつけて管理します。
逆に、ほかのコケのように、ずっと湿った日陰に置くと、かえって蒸れて傷みやすいので、注意が必要。日なたでも育つ、明るく丈夫なコケとして、苔庭から鉢、テラリウムまで楽しめる人気の種です。
💡豆知識
スナゴケが、屋上緑化の素材として注目されるのには、理由があります。屋上は、日差しが強く、乾燥しやすく、夏は高温になる、植物にとって過酷な環境ですが、もともと乾燥地に育つスナゴケは、こうした条件に耐えられるうえ、コケなので、土をほとんど必要とせず、軽く、薄い層でも育ちます。
建物に負担をかけずに緑化でき、雨水を吸って蒸発させることで、屋上やまわりの温度を下げる効果も期待され、ヒートアイランド対策としても研究されています。スナゴケが、乾燥すると葉を閉じて縮こまり、水を得ると星形にぱっと開く様子は、「変身」を見ているようで、霧吹きをかけた瞬間に、みるみる緑がよみがえるのは、コケ観察の醍醐味のひとつ。
乾いて灰緑色に縮んでいても、枯れているわけではなく、休んでいるだけなので、あわてて捨てないことが大切です。日本では、古くから、日当たりのよい庭や石の上を彩るコケとして親しまれ、その丈夫さと、星形の愛らしさから、苔テラリウムでも、明るめの環境を好むコケとして人気があります。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 植え替え | 9月は植え替え | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 | 8月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 植え替え | 9月は植え替え | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 | 8月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 植え替え | 9月は植え替え | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 | 8月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 1〜4cm
- 株張り
- 10〜100cm
環境条件
- 日照
- 半日陰
- 耐寒温度
- -10℃
- 耐暑温度
- 40℃
- 土壌pH
- 5.0〜6.5
- 水やり
- 霧吹きで乾湿のメリハリをつける。乾燥に強く、常時濡れにしない。
- 肥料
- 基本不要(コケは肥料をほとんど必要としない)
How to grow
育て方ステップ
-
1
置き場所を決める(明るい場所が好き)
約7日スナゴケは、コケのなかでは例外的に、日光をよく好み、乾燥にも強いコケです。多くのコケが、湿った日陰を好むのに対し、スナゴケは、日なたから明るい半日陰の、よく光の当たる場所が向きます。むしろ、ほかのコケのように、暗くて湿った日陰に置くと、かえって蒸れて傷みやすいので注意が必要。
屋外の、日当たりのよい庭や、石の上、屋上などが、スナゴケの得意な場所です。十分な光が当たると、星形の葉がよく開き、しっかりと締まった、美しい株に育ちます。光が不足すると、間延びして色が悪くなり、丈夫さも失われます。ただし、真夏の、照り返しの強い猛烈な直射と高温が続くと、さすがに弱ることがあるので、真夏だけは、やや遮光したり、風通しをよくしたりすると安心です。
室内のテラリウムで育てる場合も、スナゴケは明るさを好むので、明るい窓辺や、植物育成ライトの光を、しっかり当てます。「コケ=日陰」という常識とは逆に、「明るく、乾湿のメリハリをつけて」が、スナゴケを育てる置き場所の基本です。
💡コケでは珍しく日光を好む。日なた〜明るい半日陰へ。暗く湿った日陰だと逆に蒸れて傷む。
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2
水やり(乾燥に強い・メリハリ重視)
約30日スナゴケの水やりは、霧吹き(ミスティング)で表面を湿らせるのが基本ですが、ほかのコケ以上に、「乾湿のメリハリ」を重視します。スナゴケは乾燥に非常に強く、乾くと、葉を閉じて灰緑色に縮こまって休み、水を得ると、星形に葉を開いて緑がよみがえります。
この、乾いて休み、湿って活動する、というサイクルこそが、スナゴケの自然な姿。そのため、常にじめじめと濡らし続けるのは、かえってよくありません。表面がしっかり乾いてから、霧吹きで、株がしっとり濡れて葉が開くまで、たっぷり水を与え、また乾かす、というメリハリのある管理が、健康に育てるコツです。
常に濡れた状態が続くと、スナゴケでも、蒸れてカビたり、傷んだりします。屋外では、雨や朝露で自然に湿るので、乾燥が長く続くときに補う程度でよく、乾いて縮んでいても、枯れたと思って捨てないこと。水をかければ、すぐに緑がよみがえります。テラリウムなど、湿度のこもる容器では、過湿になりやすく、明るさも不足しがちなので、スナゴケには、やや向きにくい面があり、育てるなら、明るく、換気のよい、過湿にならない環境を選びます。
💡乾燥に非常に強い。表面が乾いてからたっぷり、また乾かすメリハリを。常時濡れは蒸れのもと。
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3
植える・活着させる
約21日スナゴケを定着させる方法は、ほかのコケと同じく、「貼り苔」と「まき苔」が基本です。貼り苔は、マット状のスナゴケを、湿らせた土(水はけのよい、砂を混ぜた用土や、苔・テラリウム用の土など)の上に、ぴったり押しつけて密着させ、しばらく乾かしすぎないように管理して、活着させる方法。
まき苔は、スナゴケを細かくほぐして、土の上にまき、薄く土をかけて、新しい株が育つのを待つ方法です。スナゴケは乾燥に強い分、活着の途中で完全に乾かしきると傷むことがあるので、根づくまでの最初の数週間は、適度に湿り気を保ちます。ただし、活着後は、メリハリのある管理に戻します。
スナゴケは、水はけのよい環境を好むので、用土は、ほかのコケより、やや砂質で、水はけのよいものが向きます。屋上緑化などでは、専用の薄いマットや、軽い培地に、あらかじめスナゴケを定着させた製品も使われます。苔庭では、日当たりのよい、水はけのよい場所に貼り付けると、丈夫に広がっていきます。テラリウムなら、明るく換気のよい、開放的な容器に、水はけよく配置するのがコツです。
💡貼り苔・まき苔で定着。水はけのよい砂質の用土が向く。活着までは乾かしすぎない。
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4
蒸れを防いで美しく保つ
約30日スナゴケは乾燥や日光に強い一方、その裏返しで、「過湿」と「蒸れ」には、ほかの日陰性のコケより、むしろ弱い面があります。スナゴケを傷めるいちばんの原因は、暗くて、じめじめと湿った、風通しの悪い環境での蒸れです。そのため、美しく保つには、明るく、風通しのよい場所で、乾湿のメリハリをつけて管理することが、何より大切。
とくに、湿度も気温も高い梅雨〜夏は、蒸れて傷みやすいので、風通しを確保し、水やりは控えめにして、表面が乾く時間をつくります。もし、一部が茶色く傷んだり、カビが出たりしたら、その部分を取り除き、より明るく風通しのよい、乾き気味の環境に移します。
落ち葉やゴミがたまると、その下が蒸れるので、こまめに取り除きます。スナゴケは、適切な、明るく乾湿のメリハリのある環境では、非常に丈夫で長もちし、星形のかわいい姿を保ちます。「日陰のコケと同じ感覚で、ずっと湿らせない」ことが、スナゴケを美しく育てる、最大のコツといえます。乾いて縮んでいる姿も、休んでいるだけなので、心配いりません。
💡過湿と蒸れに弱い。明るく風通しよく、乾き気味に。梅雨〜夏は水を控え風を通す。乾いた姿は休眠。
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5
ふやし方と一年の管理
約120日スナゴケは、丈夫で広がりやすいので、ふやすのも簡単です。元気なスナゴケを、細かくほぐして、湿らせた水はけのよい土の上にまく「まき苔」で、断片から新しい株が育って広がります。広がったスナゴケは、はがして、別の場所に貼ったり、まいたりして、苔庭や緑化を広げられます。
一年を通して見ると、スナゴケは、コケのなかでは、暑さ・寒さ・乾燥に強く、屋外でも、四季を通じてよく耐えます。よく育つのは、気温が穏やかで、適度に雨のある春と秋。この時期は、緑が濃く、星形の葉が生き生きと開きます。注意が必要なのは、蒸れやすい梅雨〜夏で、この時期は、風通しを確保し、水やりを控えめにして、蒸れを防ぎます。
冬は、寒さには強いですが、空気が乾燥して、長く水を得られないと、さすがに弱るので、乾燥が続くときは、暖かい日に霧吹きで湿り気を補います。とはいえ、もともと乾燥に強いので、ほかのコケほど神経質になる必要はありません。肥料は基本的に不要で、明るさと、乾湿のメリハリ、風通しを守れば、ほとんど手間なく、丈夫に育ちます。「明るく、乾かし気味に、風通しよく」を合言葉に、星形のコケを楽しみましょう。
💡ほぐしてまくだけで簡単にふえる。春と秋によく育つ。暑さ寒さ乾燥に強いが、夏の蒸れだけ注意。
Checklist
育てる前のチェックリスト
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✓400〜2,000円
スナゴケ(マット・パック)
園芸店・通販で入手できる。屋上緑化用マットも。
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○300〜1,000円
水はけのよい用土(砂混じり) (任意)
スナゴケは水はけのよい砂質を好む。
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✓200〜800円
霧吹き
水やりに使う。
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○200〜1,500円
浅鉢・トレー (任意)
苔庭や鉢で育てる容器。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
灰色かび病
時々症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
ナメクジ
まれ症状: 不規則な食害痕とテカった粘液の跡。
予防: 鉢の下など隠れ家を減らし乾燥を保つ。
対処: 夜間に捕殺、誘殺剤を設置。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 過湿・暗さで蒸れて傷む
茶色く傷んだり、カビが出たりします。
原因: 暗く湿った日陰、常に濡れた状態、風通し不足。
対策: 明るく風通しのよい場所で、乾湿のメリハリをつけ乾き気味に管理します。
⚠ 光不足で間延び・色あせ
株が間延びし、色が悪く丈夫さを失います。
原因: 日光不足(暗い場所)。
対策: スナゴケは明るさを好むので、日なた〜明るい半日陰や明るい窓辺に移します。
⚠ 真夏の猛烈な直射・高温で弱る
夏の強い照り返しで茶色く傷みます。
原因: 真夏の強すぎる直射と高温の継続。
対策: 真夏だけはやや遮光し、風通しをよくして乾かしすぎを防ぎます。
FAQ
よくある質問
はい、スナゴケはコケのなかでは日光と乾燥に強く丈夫で、日なたでも育つので、屋外では扱いやすい部類です。ただし、ほかのコケと逆で、暗く湿った日陰に置くと蒸れて傷みます。明るい場所に置き、乾湿のメリハリをつけ、風通しを確保する、という点を守れば、初めてでも育てられます。
はい、スナゴケはコケでは珍しく日光を好み、日なた〜明るい半日陰が向きます。十分な光で星形の葉がよく開き、締まった美しい株に育ちます。ただし真夏の猛烈な直射と高温が続くと弱ることがあるので、真夏だけはやや遮光や風通しの工夫をすると安心です。
乾燥に非常に強いので、乾湿のメリハリを重視します。表面がしっかり乾いてから、霧吹きで葉が星形に開くまでたっぷり与え、また乾かします。常に濡れた状態は蒸れのもとで、スナゴケはむしろ過湿に弱いです。乾いて灰緑色に縮んでいても休眠しているだけで、水をかければ緑がよみがえります。
枯れていません。スナゴケは乾くと葉を閉じて縮み、活動を止めて休む性質があります。水を得ると、星形に葉を開いて、みるみる緑がよみがえります。乾いて縮んでいる姿は休眠中なので、あわてて捨てず、霧吹きで湿らせてみてください。
育てられますが、スナゴケは明るさを好み、過湿と暗さに弱いので、湿度がこもる密閉テラリウムには、やや向きにくい面があります。育てるなら、明るい窓辺やライトの下の、換気のよい、過湿にならない開放的な容器を選びます。日陰性のコケより、明るく乾き気味の管理が必要です。
はい、スナゴケは日光・乾燥・高温に強く、土をほとんど必要とせず軽いので、ビルの屋上を緑化する素材として活用されています。雨水を吸って蒸発させ、温度を下げる効果も期待され、ヒートアイランド対策としても注目されています。あらかじめマットに定着させた製品も使われます。
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